第5章:幽世と魔導師
第131話「協力体制」
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=優輝side=
「―――これが、僕らの知っている事だ」
『そうか……』
今までの経緯を説明し終わり、クロノは考え込む。
『……その“幽世の門”は、陰陽師…いや、霊術を扱えないと閉じられないのか?』
「そうね。少なくとも霊力が扱えないと閉じれないわ。……でも、魔法でも抑え込むことは可能よ。尤も、日本全土でそれをしてる余裕もないけど」
餅は餅屋とでも言わんばかりに、霊力が必須となってくる。
しかも、その霊力が強ければ強い程、妖も強くなる。
それが日本全土だ。……状況は思っている以上に深刻だ。
「な、何とかならないの……?」
『海鳴市のみであれば、僕らでカバーする事ができた。……でも、今回は日本全土だ。いくら霊術を扱えなければ妖も弱いと言っても、解決しないのでは意味がない』
「加えて、ここは管理外世界。……ロストロギアが現在進行形で関わっていても、そこまで人員を割く事ができない」
「そんな……!」
おかしいとは思うだろう。……だが、それが管理局と言う組織だ。
人手不足な事もあり、管理外の世界まで見ていられないという訳だ。
ロストロギアとしての被害も今の所日本だけなのも拍車を掛けている。
「妖自体には物理攻撃も通じる。警察や自衛隊が動いてくれれば、防衛だけなら日本の戦力だけでも何とかなる」
「でも、だからと言って任せっきりにはできないわ。……かつて幽世の門が開かれていた時は、一つの土地に住んでいた人間が全滅したもの」
「駿河……だったよね」
強い霊力を持たなければ襲われない……だが、例外も存在する。
駿河であった出来事とは、そういったものだったのだろう。
『元凶がいるのは……京都なのか?』
「かつて幽世の大門が開かれた時はそうだったわ」
「それと、緊急要請の反応は京都だ。……ほぼ確実にそこにあるだろうな」
場所は既に判明している。
でも、すぐそこに行かないのは……。
『……アースラから転移すれば、すぐにでも行けるが…』
「っ………」
「………」
椿と葵の様子がおかしい。
……いや、その原因は分かっている。
二人はかつて同じような事を経験している。……そして、当時の主を失った。
ただ死んだという訳でなく、行方不明になっただけなのだが……。
問題なのは失った事ではなく、自分たちが途中で戦線を離脱した事。
………つまり……。
「(……怯えているのか。敵の強大さに)」
戦線を離脱した訳は、一朝一夕では治らない怪我を負ったから。
負った原因は単純に力不足。
……故に、その時より数段強いであろう幽世の大門の守護者に、怯
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