暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアートオンライン 無邪気な暗殺者──Innocent Assassin──
SAO
〜絶望と悲哀の小夜曲〜
圏内事件〜招待編〜
[1/3]

[8]前話 [1] 最後 [2]次話
キリトとの無意味ないざこざがあり、手近の無人家屋で衣服を普段の騎士装に変更したアスナは、長い髪を背中に払いながらつかつかと戻ってきて言った。

「で、これからどうするの?」

「あ、は、はい。選択肢としては………その一、中層で手当たり次第にグリムロックの名前を聞き込んで居場所を探す。その二、ギルド黄金林檎の他のメンバーを訪ねて、ヨルコの話の裏付けをとる。その三……カインズ殺害の手口の詳しい検討をするくらいかな」

「ふむむ」

腕組みをし、アスナは、隣で相変わらずの笑顔でぷかぷか煙管を吸っているレンを見て、思案顔になった。

「その一は、三人じゃちょっと効率悪すぎるわね。現在の推測通りグリムロックが犯人なら、積極的に身を隠してるでしょうし」

レンがそこで、口を挟む。

「その二も無理だねー」

「へ?なんでだ?」

「だって、もしさっきのヨルコねーちゃんの話と違った話を、他のメンバーから聞けた時、僕達にはどっちが本当にあったことなのかわかんないじゃん」

「…………じゃあ……その三か」

ちらりと目を見交わし、三人は頷いた。

そもそもレン達がこの事件にここまで首を突っ込んでいるのは、ヨルコには申し訳ないが【黄金林檎】リーダー殺害事件の真相を暴くためではなく、カインズを殺した《圏内PK》の手口を突き止めるためなのだ。

だが、これまで解明できたことと言えば、《圏外で発生した貫通継続ダメージを圏内に持ち込んだものではない》という一点のみだ。

他にどのような可能性があるのか、一度とことん議論しておく必要がある。

「でもな……もうちょっと、知識のある奴の協力が欲しいな……」

キリトが呟くと、アスナが眉をひそめた。

「そうは言っても、無闇と情報をばら撒いちゃヨルコさんに悪いわ。絶対に信用できる、それでいて私達以上にシステムに詳しい人なんか、そうそう………」

「「……………………あ」」

レンとキリトはほぼ同時に、一人の名前を思いつき、言った。

「いるじゃん」

「誰?」

レンとキリトが目を見交わし、笑いながらその名を告げた途端、アスナは眼を剥いてのけぞった。










昼飯オゴるから、というキリトの追記に惹かれたわけではないだろうが、アスナがメッセージを飛ばした三十分後、本当にその男が現れたのには、正直に言って少々驚いた。

さらにその後ろから現れた巨漢には、辟易するのと同時にかなり驚いた。

アルゲード中央の転移門から音もなく進み出た二人の男を見た途端、広場を行き交う多数のプレイヤー達が激しくざわめいた。

一人は、暗赤色のローブの背にホワイトブロンドの長髪を束ねて流し、腰にも背にも一切の武器を持たない───SAOに存
[8]前話 [1] 最後 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ