ペルソナ3
1866話
[1/5]
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
月光館学園に向かっている途中、いつものようにゆかりと会う。
……別に時間を合わせている訳ではないのだが、何故かいつも学校の近くで遭遇するんだよな。
疑問に思いつつも、ゆかりに向かって声を掛ける。
「よう、ゆかり」
「アクセル、おはよう。……それにしても、毎日会うわね。もしかして、私が来るのを待ってるとか?」
「別にそんな事はないんだけどな。寧ろ、そっちが俺の来るのを待ってるんじゃないか?」
「そんな訳ないでしょ」
そう言い、ゆかりは笑みを浮かべる。
ゆかりも、別に俺が待っているというのは本気で言った訳ではないのだろう。
言うなれば、挨拶代わりだ。
そんな風にゆかりと話しながら月光館学園に向かっていると、不意に後ろの方からざわめきが聞こえてくる。
「何かしら?」
少しするとゆかりもそのざわめきに気が付いたのか、後ろを見る。
そして……そこで俺とゆかりは、驚きに目を見開く事になった。
当然だろう。何故ならそこにいたのは、桐条によれば今朝退院したばかりの筈の、有里の姿があったからだ。
つい昨日まで、1週間近く意識が戻らなかったとはとても思えないような、そんな姿で。
もっとも、いつものように面倒臭そうな姿をしているので、普通ならちょっと見分けがつきにくいだろうが。
「え? 有里君? ……何で?」
そんな有里の姿を見て疑問を口にしたゆかりは、次の瞬間俺の方を見て説明を求めてくる。
だが、俺に説明を求められてもな……正直なところ、何故有里が今日学校に来ているのか、全く分からない。
そもそもの話、俺が桐条から聞いた話によれば今日は1日寮でゆっくりしているって話だったんだが……
「ああ、おはよう」
有里の方も俺の姿を見つけたのか、いつものようにやる気のなさを露わにしながらそう挨拶をしてくる。
「大体1週間ぶりだけど、もう身体の方はいいのか? 昨日まで入院してたんだろ? なのに……」
「ああ、大丈夫。身体の疲れとかはもうないから」
「……まぁ、1週間近くも眠っていれば、どれだけ疲れていた奴でも全快はするだろうな。もっとも、寝すぎて疲れるとか、そういうのもあるかもしれないけど」
「どうだろうね。……それより、学校に行かないの? まだ余裕はあるけど、完全にって訳じゃないと思うけど?」
有里の言う通り、遅刻するまでにはまだ余裕があるが、それでも長い時間という訳ではない。
「そうだな。……けど、いきなり姿を見せるから驚かされたよ」
「そう? そんなつもりはなかったんだけど」
俺の言葉に気怠そうにしながら答える有里だったが、それはポーズとかそういうのではなく、本当に身体が怠いのだろう。
寝て疲れるって話を俺は口にしたが、実際に何日も寝たきり
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ