暁 〜小説投稿サイト〜
月夜の下でキミと
スカイナイトドリーマー第2話

[8]前話 前書き [2]次話
昼の12時。依子は職場の事務室で手作り弁当を広げ、ぼんやりテレビを眺めながら食事をしている。

昼休憩はいつも一人だ。男が多いこの職場は、みな大体外へ食べに行ってしまう。最近入った新人事務員の由美佳も、いつも先輩たちに昼を奢ってもらいに出かけてしまうので、お陰で静かで平和なひとときを過ごせている。

かといって、仲が悪いわけでもない。どちらかというと依子の方が距離を取りたがっているのかもしれない。


珍しく由美佳が、コンビニの袋を下げて事務室に入ってきた。
「先輩、聞いてください。給料日前だからって、今日は誰もご飯連れてってくれないんですよぉ。」
私の隣の事務椅子に腰を降ろし、机にコンビニで買ったスパゲッティとペットボトルのお茶を乗せた。


「ふーん、たまにはいいんじゃない。」
依子のそっけない相槌にもめげず、由美佳は、あれこれ話しかけてくるが、毎晩の寝不足も手伝ってまぶたが重くなってきていた。
依子がこっくりこっくりしかけた頃、
「あ!」
テレビを見ていた由美佳が急に大きな声を出したので、びっくりして顔を上げると、スカイナイトドリーマーの大ヒットについてニュースに取り上げられていたところだった。
「私、これ一度でいいから使ってみたいの!私、工場マニアなのよ。これで空から見てみたいわぁ。」
由美佳がキラキラした目でテレビにかじりついているので、とっさに
「それ家にある」
依子は言ってから後悔することになった。


工場がいかに美しいかを延々と語られ、さらには
その晩、由美佳は依子のアパートの初めての訪問者となるのだった。
[8]前話 前書き [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ