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魔王卑弥呼
使い魔ハムスター
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るわ」
 そう言って走り出し崖から飛び降りた、死ぬ気ではない、恐らく元の空間へ戻ったのだろう。

「勝手な真似をしやがって!」
 白人が怒っている。
(1人減って助かったわ)
 美樹は内心喜んだ。

「2人で充分だ、なんなら俺一人でも良いんだぞ?」
 黒人が自身タップリに白人を見下しながら話す。
「そうか、分かった」
 白人はそう答えて崖の方へ歩き出す、この男は計画に想定外が生じて成功確率が減るのを極端に嫌うのだ。
「おいおい冗談を真に受けるなよ」
 黒人が叫ぶが遅かった、白人は崖から飛び降りていた。

 麻美が嬉しそうに美樹に話しかける。
「なんか不戦勝って感じじゃない?」
「そんな感じね」
 美樹が黒人を睨みながら答える。

「僕も加わるよ!」
 店から店主が出てきた、果たしてどちらに加わるのか。
「タッタッタッ」と美樹達の方へと走って来た。
「僕も加えて下さい」
「よぉ仲良くな」
 ハムスターが店主に話しかけている。

 自身に満ちあふれていた黒人だが崖を意識するようになっていた、そして空間が歪んで来る。
 黒人が崖に向かって走り出し、そして崖から飛び降りた。

「ブーン」
 ユーノスロードスターのエンジン音がする、軽快に山道を下る。
 運転席には佐々麻美
 助手席には織田美樹
 そして佐々麻美の肩には使い魔ハムスター。
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