第一章
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さらばラバウルよ
大林柳一はラバウルの基地で整備兵をしていた、背がやけに高く顔が馬の様に長いので本当に柳の様だと言われていた。
ラバウルは航空基地があり帝国海軍はここから南洋のかなりの範囲に航空機を出していた、それでだ、
大林はいつも忙しかった、日々航空機の整備に追われていた。
「またか」
「ああ、まただな」
「また修理だな」
同僚の兵士達が彼に応える、今彼等は戻って来た零戦の一機の修理にあたっていた。見れば機体に結構被弾している。
「これ乗ってたの栗田少尉だったよな」
「ああ、あの人だよ」
「あまり被弾しない人だけれどな」
「今日は結構被弾してるな」
「そうだな」
損害の状況をチェックしつつこう話している。
「それだけ激しい戦いだったのか」
「他の機体も結構やられてるしな」
「少尉の機体もか」
「これだけやられてるのか」
「まあそれでもな」
大林はここでこう言った。
「生きて帰っただけでもましか」
「そうだな、死んだらな」
「それだけ寂しくなるしな」
「ここだけの話嫌な奴が死ぬならいいけれどな」
「栗田少尉いい人だしな」
「俺達兵隊にも優しくてな」
「面倒見のいい人でな」
そうした人物だからだというのだ。
「兵学校でも評判よかったらしいぜ」
「出来た人だってか」
「それでか」
「ああ、そうみたいだぜ」
実際にというのだ、基地の格納庫の中に機体があり彼等はその中でもう修理の用意をしている。
「何でもな」
「そうか、それも当然だな」
「あんないい人滅多にいないしな」
「兵学校でも評判よかったの当然だな」
「本当にな」
「そうした人は生きていて欲しいな」
「勝つまでな」
その日までというのだ。
「絶対にな」
「全くだよ、しかしな」
ここでだ、大林はまた機体を見て話した。
「本当に酷くやられてたな」
「あちこち被弾してるな」
「最近損害も多いしな」
「今回の出撃では未帰還少ないだけましか」
「アメ公どんどん数が増えてるみたいだしな」
「機体の性能もよくなって」
「ガダルカナルからも退いて」
戦局はそうした状況だった、日本軍はガダルカナルから退き次第に劣勢になろうとしていたのだ。
「ここはまだ大丈夫みたいだけれどな」
「船も結構沈んでるんだろ」
「ガダルカナルから損害も増えていって」
「それで航空機もな」
「損害が増えていって」
「どうなるんだろうな」
「苦しいな、今」
「何とかなって欲しいな」
大林達はこんなことを話していた、そうした話をしつつだった。
彼等はろの零戦を修理した、この零戦は幸いにして修理出来たが修理不能で戻って来た機体も増えていき。
それ以上に未帰還機が増えてだ、大林は
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