第二章
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「それなら」
「そうね、具体的には」
愛理も代案を問われて出した、実は愛理も部活の脚本を書いているのだ。
「ホームズとか」
「他には?」
「ポワロとか」
「もう一つは」
「フレンチ警部とか」
「そう言うあんたもじゃない」
ここまでやり取りしてだ、茉祐は愛理に眉を顰めさせて返した。
「推理ばっかりじゃない」
「それが私の評価だっていうの」
「どうせもう一つ聞いたらまた推理でしょ」
「ルパンとか」
「怪盗でもやっぱり推理じゃない」
ジャンルで言うとそちらになるというのだ。
「あんたもあんたで推理ばっかりじゃない」
「だって好きだから」
愛理も否定しなかった、自分のその嗜好は。
「何か書くってなるとね」
「そっちばかりなのね」
「そうだけれど」
「じゃあお互いじゃない」
「脚本のイメージが定着している」
「あんたも私もね」
茉祐は愛理を見ながらその彼女に言った、愛理の方も彼女を見ている。
「何かこう脚本にね」
「イメージが定着してて」
「そこ変える?」
「お互い他のジャンル書くの」
「幸い今度の文化祭二作発表するし」
演劇部の作品としてだ。
「それで私達がそれぞれ脚本担当するし」
「それなら」
「私は恋愛以外のジャンル書くし」
「それで私も推理以外のジャンルを」
「書かない?」
こう愛理に提案した。
「お互いにね」
「それじゃあ」
こうしてだ、二人でそれぞれいつもと違うジャンルの脚本を書くことにしたがここでだった。
二人共だ、つまづいてしまった。
部室でだ、困った顔で向かい合って話をするのだった。まずは茉祐から愛理に対して言った。
「何を書くか、よね」
「そうよね」
愛理もこう返した。
「私だったら推理以外」
「私は恋愛以外」
「何を書くか」
「それがね」
「難しいわね」
「そうよね」
「いや、恋愛ものじゃないとなると」
茉祐はその困った顔で言った。
「具体的にどのジャンルか」
「推理以外ってね」
愛理も困った顔になったままだ。
「何かある?」
「そうよね」
「お互いの好きなジャンルを交換するとか」
ここでこう提案した愛理だった。
「そういうの?」
「交換トレードね」
「プロ野球にあるみたいな」
「それ?」
「それでいくの?」
「そうする?」
茉祐も言う、愛理の言葉に乗って。
「ここは」
「一度ね」
「それでどうか」
「お互いの要素は排除して」
茉祐は恋愛、愛理は推理をだ。
「そうしてね」
「お互いのジャンルを交換して」
「書いてみましょう」
こうしてだ、今回はあえてそうしてみた。茉祐が推理を、愛理が恋愛をだ。それぞれ書いてみた。
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