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Sword Art Online-The:World
#02 開始
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た。





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「またかよ、クソッ………今度はどこだ、大聖堂………か?」

そこは、大聖堂の中。二人は、大聖堂の墓標の前に転移させられたのだ。外の九千人強の声が中にまで響いて来るから、位置の予測には事足りていた。
目の前の石碑には、一万人のプレイヤーの墓標(リスト)が存在し、その幾つかには既に赤く二十線が引かれている。つまり、この赤の数だけ人が死んだという事実が、そこにはあった。
それを目の当たりにし、流石の二人も動揺を隠せない。自分達も、“死ねば”死ぬという事実を、心の何処かで否定していたのかもしれない。しかし、ようやく、といった感じに二人は決意出来た。自分達は、このゲームをクリアしなければならない、それも命懸けで。その決意が、やっと固まった。
だが腑に落ちないのは、

「俺達はなんでここに飛ばされてんだ……?」

「それもおそらく、“彼”が答えてくれるよ。そうだよね――――GM(ゲームマスター)、茅場晶彦さん?」

カイトは、まるで背後に誰かがいるかのような口ぶりでその名を呼んだ。
しかし振り返ってみると、そこには誰もいない。なにもない、大聖堂の広間があるだけ。しかし、

『…………よく、分りましたね。私が此処にいるという事が』

その上、天井。そこに、逆さになって立っていた。
、GM、SAOプログラマー、ナーヴギア開発者、茅場晶彦が。
赤いフードを翻し、茅場は堂内の床へと着地、コートを引き摺りながらこちらへと歩み寄って来る。それはまるで死者のような、不気味な雰囲気を強調しているような、そんな感じがした。

「セレモニーの情報を俺達に流したのも、テメェの仕業か。うちの会社に誤情報流すとか、ドンだけテクってんだよ………」

『ほぉ、流石に分かりますか。お褒めの言葉、感謝します』

コートの中から伸びた右手は白い手袋で覆われており、まるで潔癖症か何かと勘違いしてしまいそうなほどに、厳重な服装。その右手をそっと左の胸に添え、深く一礼を見せた。

『初めまして、私は茅場晶彦。このゲームのメインプログラマーであり、ナーヴギアの開発者でもあります。御二方は、かの『蒼炎のカイト』殿と『死の恐怖・ハセヲ』殿で相違ありませんね?』

「『昔は』、な。今はただの社会人で、ただのプレイヤーだ。あんまり過大評価されんのは好きじゃねぇ」

「ハセヲの言う通りだ。僕らはただ普通にこのゲームをプレイする一人の人間に過ぎない。『The:World』での僕達は、もういない。だから、僕達をそんな風には呼ばないでくれ。それに何より、英雄なのはあの世界だけの話で、現実の僕らはただの人間だ。仮想を現実に持ち込むなんて、マナー違反も甚だしいんじゃないのかな?」

『し
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