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Sword Art Online-The:World
#02 開始
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、ほんの1、2秒ほどの間。光が薄れると共に目を開くと、そこは先ほどの草原とはまったく関係のないエリア、はじまりの街のログインフィールドだった。背後に感じる鐘の音は、先ほどよりも大きく、より近くに感じられる。それがいい証拠だ。
転移させられて気づいたのは、そこに転移させられているのは自分達だけではなく、他のプレイヤーたちも含まれていた。総人口にして一万人、それだけの人間を強制的に招集して何を始めようというのか。しかし、ハセヲ達はこれから始まる事を知っていた。そう、これこそが、
「…………セレモニー」
「ユーザーの事情無視して、強制転移掛けて、やるのがセレモニーかよ……ンな訳ねーよ。これはたぶん――――」
プレイヤー達からの罵声や怒号が飛び交う中、その誰もが“ログアウトできない”“強制転移”に関してのクレームを、誰とも知れない空に向かって叫んでいた。それを聞き届けている運営、そしてGM(ゲームマスター)に対して。
数分後、それを聞き届けたかのように、突如として鐘の音が止んだ。
それを何かの合図と悟ったのか、プレイヤーたちも推して黙る。そして一人の青年が天を指し、
「アレは………」
大聖堂の上空に突如現れた、赤色の表示枠と『WARNING』の文字。
その一つの表示枠を基点に、それらはまるでエラー勧告のように空を覆った。かと思いきや、今度は大聖堂上空の表示枠の“すき間”から、まるで血のような赤い液体が染み出してきた。水と呼ぶには粘性の強い、だが血と呼ぶにはいささか鮮やか過ぎる、そんな液体。
それらは度々の
発光
(
スパーク
)
を起こしながらも、一つの形状を形成していく。それは、人。
赤いコートとフードを眼深く被ったその姿は、間違いなくGMのそれだった。だがその姿は巨大、実に巨大すぎる。
100mはあろうかというその巨躯で、GMは両腕を掲げ、まるでプレイヤー達を煽るかのように口を開いた。
『プレイヤーの諸君、“私の世界”へようこそ………私の名は茅場晶彦。いまやこの世界を
操作
(
コントロール
)
で
きる、唯一の人間だ』
たった数十の言葉の中に、二人は抑えきれぬほどの恐怖と、“狂気”を感じた。人を侵す“悪意”とは決定的に違う、異常を異常と認識できない人間だけが持つ、“狂気”を。
“私の世界”“操作できる唯一の”――――この二行で、二人は事の全てを把握した。あぁ、またか、とも思った。
『諸君らは、すでにメインメニューからログアウトボタンが消失している事に気付いていると思う。しかしこれは、決してシステムの不具合では無い。繰り返す、これは決して不具合では無い――――これは、SAO(ソード・アート・オンライン)本来の仕様である。
諸君は自発的にログアウトする事は出来ない。外部の人間による停止、あるいはナーヴギアの解除も
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