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Sword Art Online-The:World
#02 開始
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。少し俯き気味な顔を上げると、二人の視線が自ずと重なる。

「…………どういう事かな」

「俺に聞くなよ……けど、俺の中じゃ今、三通りの想像が膨らんでる。ちなみに全部良くない事だ」

「……マシな奴から聞かせて」

「まぁ、どれも似たり寄ったりだけどな。俺が予想しているのは、」

@、俺達のメニューにだけバグが発生している。もともと管理者権限をインストールするという目的もあった為、アバター事態に初期から何らかのバグが生まれていたという可能性。
A、サーバー内に異常が発生し、現在方々が手段を講じている最中。数時間〜数日後にはログアウトが可能となり、それまでは一万人が完全にリアルから孤立した状態に。ナーヴギアを外す、回線を切断する、電源が切れるまで待つ、といった手段でもログアウトが可能。
B、一万人全員が、何らかの方法によってゲーム内に完全に隔離・幽閉されている。脱出する手段が一つしかなく、それをクリアするまで一生出られない。

「個人的には、@がベストなんだけどなぁ。Aはちょっと辛いかな、でも……」

「B、コイツが一番ヤバい。そして今、俺の中じゃこれが一番当たりって気がしてる」

完全隔離。それはつまり、リアルの自分の身体が完全に放置状態にあるという事になる。
栄養補給、生理現象、筋肉の退化、長期ダイブによる脳への支障。問題を数えればキリがない。
しかし『未帰還者事件』を知る二人にとっては、この事態はあまりにも危惧すべき事態だった。しかし心のどこかで“あんな事はもう二度とない”“起こる事は絶対にない”と、勝手に自分の中で決めつけていたのがショックをより大きくした。
『The:World』では、PKされたプレイヤーの意識がゲーム内に囚われ、リアルで意識不明になるという事件が発生していた。コレは後に“未帰還者事件”と呼ばれる世界最大規模の意識不明事件となり、ニュースにもなった。
しかし問題点はそこではなく、自分達はPKされてこのゲームに閉じ込められている訳ではない。ゲーム内にログインした後、完全にこのゲームに閉じ込められてしまっている。つまり、手順が“ひっくり返っている”のだ。

「こんな事が出来るのは、制作元の『アーガス』か、もしくは僕達みたいな――――」

続く言葉を口にしようとした時、突如として鐘が鳴り響いた。
音源は自分達が背にしている方向、はじまりの街の中央にある聖堂の鐘だ。鈍重な鐘の音は、まるでこの事態を把握している“誰かに鳴らされている”様な気がして。そして瞬間。視界の全てが強烈な光に包まれ、自分達は思わず目を覆った。




      ×      ×




「なっ――――」

自分達は光に包まれ、一瞬のうちに違う場所へと転移させられていた。
強烈な光に目を覆った
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