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Sword Art Online-The:World
#02 開始
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街道が特徴的な、“はじまり”の名に相応しいエリアだ。
周辺には特に問題視する事のない雑魚モンスターであるイノシシやオオカミが生息し、至って普通のフィールドとなっている。。各階層内で基本シームレスなこのゲームでは、街道をひたすらまっすぐ歩いていけば夕方から深夜の間までに隣の村に辿り着く事が出来る。
そんな“始まりの街”の門を出て少し離れた場所で、二人はお互いの得物を抜いてそれを振るっていた。
カイトが持つのは短刀。無骨な柄と片刃の、初期装備の物だ。ハセヲも同様の初期装備である諸刃の長剣を装備し、資料にあった『ソードスキル』の発動をその身を以て体験していた。

「なるほどね、様々なモーションから発動を認識させる事で、技が発動する、と」

「魔法で言うなら詠唱、RPGで言うなら必殺技の言い回し、ってか」

腰を低く落とし、右に持つ短刀を左の脇に隠すようにして持つ。
瞬間、短刀に仄かな光が灯り、ソードスキルの立ち上がりを知らせる。そしてそのまま前へと踏み込み、三歩目を踏み出したと同時に短刀を振り抜くと、光の軌跡を描いて腹に残る心地のいい音が響く。コレがソードスキルの発動。
右の長剣を右肩に担ぐように構えると、スキルが立ち上がる。
そして右の一歩を踏み出すと共に剣を垂直に一閃、カイトの時とは比べ物にならないくらいの重い音が響いた。武器でやはり発動のモーションやタイミングの違いはあるが、基本的な面ではどれも共通しているようだ。
長剣と短剣ではもちろん火力やリーチの違いもあるが、二人は以前『The:World』で使用していた武器と類似するものという事で、それらの武器を選んでいる。カイトは双剣、ハセヲは双剣・大剣・大鎌・双銃と、ハセヲは当時のゲームでも群を抜いて中々に画一した装備を使用していた。
しかしこのゲームには基本的に『二刀流』は存在しないらしい。だが、固有のスキルであり無限に存在すると言われるEXスキルに関しては、全くの別扱い。各個人のステータスや技術が、後にEXスキルとして判定される事もあり、それらの恩恵で『二刀流』を発現させる事も不可能ではない、という。
何度も何度も剣を振るい、スキルが立ちあがるモーションを一つ一つ確認していく。そんな中で、ハセヲは資料にあったこのゲームの特筆すべき点を口に出していく。他のRPGにはない点、それは、

「魔法なしのRPGってのもずいぶんと風変わりだな。代わりのソードスキルや武器の多さは確かにスゴイし、後半になると、ちゃんと大鎌や大剣みたいな上位装備もあるらしい。なんか、ますます懐古感を感じてきた……」

「だからこその『ソード・アート・オンライン』――剣の世界なんだ。というより、僕達も魔法系はあんまり習得してなかった口なんだから、ぶっちゃけ言えばこれで丁度いいけど」

「…………そうだな
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