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Sword Art Online-The:World
#02 開始
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が、『The:World』のアバターと“全く同一の物”と化していた。
容姿はリアルとほぼ同一だったはずなのに、それらは完全に揉み消されていた。刺青、容姿、確かに装備以外完全に昔のアバターと酷似している。
そしてスキル欄を開くと、最初に確認した時にも無かったスキルがそれぞれ、一つずつあった。ハセヲのスキルには『錬装(れんそう)』、カイトのスキルには『双刃(そうじん)』、その名を冠するスキルを見て、二人は余計に苛立ちを募らせた。これではまるで、

「俺達に……また『The:World』をやれって言うのか!?」

『えぇ、概ねその通りです。御二方ならば、この塔の最上階まで辿り着く事が出来るでしょう。それを期待しての、それらの贈呈です。快くお受け取りください』

「……いいか、もっかいだけ言うぞ。これは『The:World』じゃねぇ、別のゲーム『ソード・アート・オンライン』だ! テメェは俺達を“今を生きる英雄”かなんかだと思ってる見てぇだがな、そんな事はねぇ! 勝手な誇大妄想も大概にしやがれ!」

「僕もちょっと限界かな。茅場さん、貴方の考えは十二分に危険すぎる。もう『現実』と『空想』の区別がつかなくなってる……それは、人格が破綻しているのか、それとも貴方の思考が破綻しているのか、どっちだい?」

『その解は私にも分りかねます。ですが、このゲームがクリアされた時、私はその解を得る事が出来ると思ってもいます。それではその時まで、失礼致します。カイト殿、ハセヲ殿、よい人生を――――』

「クソッ、待ちやがれッ!」

ハセヲは反射的に直剣を抜き、前方にいる茅場の元へと飛び込んだ。
ソードスキルが発動、そしてそのまま剣を振り下ろし、そのフードを文字通り一刀両断する。しかしその中身は既になく、切断されたコートは床に落ち、ガラスの砕けるような音とエフェクトともに消失した。
外では先ほどよりも大きな声が聞こえる。今度は悲鳴も混じっている。どうやらあの男の言う『セレモニー』は、完全に終了したようだ。ここから先はプレイヤー次第、という事だろう。
生きるも死ぬも、進むも留まるも。
二人も、例外ではない。たとえどんなに英雄視されようと、この世界では彼らはただの人。
この世界は、一万人に新たな人生を与えたのだ。
絶望と希望、その両方を兼ねた、文字通りのデスゲームを。





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