第一章
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夜食
中村リンは父が日本人、母がアメリカ人の日米のハーフらしく白く透き通った肌と茶色がかった髪を持っている。その髪は奇麗に伸ばしていて睫毛の長い蒲鉾に近い形のやや垂れ目になっている黒い瞳と薄い見事なカーブの眉が似合っている。背は一六〇程ですらりとしたスタイルだ。
いつも勉強熱心で学校から帰り夜まで予習風習をしている、だがこの日彼女は困っていた。
台所でガタガタと音を立てている彼女にだ、弟の翔大があどけない黒く大きな目をこすりながら聞いてきた。
「姉ちゃん何してるんだよ」
「あんた凄い恰好ね」
リンは弟が黒のボクサーパンツ一枚であることに突っ込みを入れた。
「その格好で寝てたの?」
「そうだよ」
「殆ど裸じゃない」
「そう言う姉ちゃんこそ色気ない恰好だよな」
観れば上下共紺のジャージである。
「女子高生なのにな」
「だって後は寝るだけだから」
つまり寝巻に着替えたというのだ。
「夜食食べて寝るつもりだけれど」
「ああ、それでなんだ」
「そう、夜食探してるけれど」
「何もないんだ」
「ちょっとね」
「パンでもあるだろ」
どうでもいい感じでだ、翔大は姉に返した。
「それこそ」
「それがないのよ」
「じゃあ御飯の残りは」
「明日食べるから」
だからだと返すのだった。
「朝にね」
「残しておくのかよ」
「そう、お茶漬け食べるつもりだから」
「お母さんにそう言われてるんだな」
「そう、だからね」
それでというのだ。
「御飯も駄目よ」
「じゃあラーメンあるだろ」
インスタントラーメンがというのだ。
「それ食えばいいだろ」
「カップ麺あればいいのに」
難しい顔でだ、リンは台所の中をガサゴソと探し回りつつ弟に返す。翔大はそんな姉
見てゴキブリみたいだと思ったがそれは言わなかった。
「ないわね」
「じゃあ袋麺にすればいいだろ」
「あっ、カレーラーメンあったわ」
洞窟から思わぬ掘り出しものを見付けた顔で取り出したのはそれだった。
「いいのがあったわ、じゃあね」
「今からそれ食うんだな」
「二つあるから」
実際に袋麺を二つ出していた。
「あんたも食べる?」
「俺もなんだ」
「そう、あとシャツでも着てね」
そのボクサーパンツ一枚のことも言った。
「その間にね」
「作るんだ」
「卵入れて」
ラーメンにというのだ。
「お野菜にお葱切って人参も入れようかしら」
「随分本格的だな」
「私一人なら別にだけれど」
卵を入れる位にするつもりだった、実際に。
「それでもね」
「俺も食うから」
「そう、お葱入れて玉葱入れて」
野菜もというのだ。
「そしてソーセージも入れて」
「それもかよ」
「何かね」
リンは弟
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