第26話 舞台の始まり
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を堪能しているとわたしとリィンのいる場所から離れた路地裏で何か物音が聞こえた。
実はここに来た時に何者かがこちらを伺っている気配を感じた。どうやらここに集まって何かしていたようだがわたしたちが来たので隠れて様子を伺っていたんだろう、そして隙が出来たと思い逃げた、ってところかな。
「リィン、もしかして……」
「ああ、トヴァルさんが言っていた怪しい連中かもしれない。音をたどってみよう」
「了解」
わたしとリィンは音がした方に行くと足跡が路地裏に向かっていた。暫く路地裏を走っていると前方に猟兵が使うような装甲鎧の人物が5人ほどいた。
「止まれ!」
「!?」
わたしが跳躍して集団の前に降り立ち行く手を塞ぎリィンが背後から拳を構えて怪しい集団に質問した。
「お前ら、こんな夜遅くに路地裏で何をしている?最近帝都のギルド付近で目撃されるという集団はお前らか?」
「……始末しろ」
集団の一人がそういうと全員が武器を構えた。
「話す気はないか、フィー!迎撃態勢!」
「了解!」
わたしたちは襲い掛かってきた集団に素手で交戦した。幸い相手もそこまで強くなくリィンと二人係で無力化することができた。
「ぐっ、何だこいつら!」
「子供なのに強い!」
地面に倒れている怪しい集団の一人の胸倉をリィンが掴んだ。
「さっきの質問をもう一度する。お前らは何者だ?」
「…………」
「黙秘か、なら気絶させて遊撃士ギルドにでも引き渡すか。フィー、手伝ってくれ」
「ん、了解」
わたしたちは全員を手刀で気絶させる。じゃあさっさとトヴァルを呼びに行こうかな……
「あはは、噂通りの強さだね」
その時だった、さっきまで全く気配を感じなかったのに突然何者かがわたしたちの傍に立っていた。黄緑色っぽい髪と顔に刺青の入った子供みたいな男の子だった。
「……誰だ?全く気配がなかったが…」
「残念ながら今は名前を名乗れないんだ、まあ親しみを込めて赤の道化師とでも呼んでよ。その人たちは僕の組織の仲間でね。手荒な真似をされるのは困るんだよね」
赤の道化師と名乗った少年は楽しそうに笑うがわたしとリィンはその笑みから得体の知れない不気味さを感じて警戒する。
「……どうやら話を聞かなくちゃならない相手が増えたようだな。組織と言っていたがお前らは何者だ?」
「それにしてもまさか君たちが邪魔に入るとは。教授が君たちの事を気にしていたけどこれはもう運命なのかもしれないね」
リィンの質問にも答えず少年は実に楽しそうに笑っている。その姿は私に言いようのない不安を感じさせた。
「……貴方、何者なの?」
「今は言
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