第26話 舞台の始まり
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いですね」
「猟兵もこの数日で帝都入りしてるのは、わたしたち西風の旅団だけって聞いたしね」
「そうか、うーん、何なんだろうな。まあ警戒しろとは言われているし俺は見回りを続けるわ。呼び止めてすまなかったな」
「いえ、気を付けてください」
「バイバイ」
「おう、じゃあな」
トヴァルはそう言って立ち去っていった。
「何か変な奴らがうろついているみたいだな。何か分かったら教えておくか」
「ん、っていうか遊撃士なのにわたしたちを疑わないのって変な感じだね」
「トヴァルさんもサラ姉も敵対してる時は油断ならないけどプライベートだと友人みたいに接してくるからね。まあいいじゃん、変に疑われるよりは。実際に俺達は関係ないんだし」
「それもそうだね」
まあ疑われるよりはいいかな。仕事柄敵対することもあるがプライベートでは意外と気さくに話しかけてくるので最初は戸惑ったが今はそんな人もいると納得している。団長も仕事とプライベートの線引きはしとけって言ってたしね。
「さてこれからどうする?もういい時間だけど」
「あ、じゃあ最後にお願いを聞いてほしいな」
「お願い?何だ?」
「あのね、一緒に星を見に行きたいの」
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わたしとリィンは帝都・ヘイムダル港に来ていた。この時間帯は人がほとんどいないからだ。
「うわぁ……」
「綺麗だな……」
上を見上げると綺麗な星空が空いっぱいに広がっていた。
「昔はフィーとよくこうして星を眺めていたな、最近は忙しくてできなかったけど」
「うん、懐かしいね」
昔からわたしはよくリィンと一緒に星空を眺めていた。まだ団の皆に拾われる前は星を見て寂しさを紛らわせていたが、今はこうして大切な人と星を眺めることが出来る。
「……リィン、ありがとう」
「突然お礼を言ってどうしたんだ?」
「あのね、わたし今凄く幸せだよ。団長やマリアナ、ゼノやレオ、皆がいて……貴方に出会えた、家族になってくれた。それが本当に嬉しいの」
「フィー、それは俺も同じ気持ちだ。皆と家族になれてそしてフィーに出会えた事が嬉しい。だから俺からもお礼を言わせてくれ。ありがとう、フィー……」
リィンはそっとわたしを抱きしめる、わたしもリィンに抱き着いた。
「リィン、もっと強く抱っこして」
「了解。でも何だか今日のフィーはいつもより甘えん坊だな」
「うん、甘えん坊だよ……」
ぎゅーと力一杯にリィンに抱き着く。このまま時が止まっちゃえばいいのに……
……ガサ
……でも無粋な奴って必ず現れるものだ。わたしがリィンの温もり
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