第26話 舞台の始まり
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遇したが危なげなく撃退することが出来た。
「ふう、魔獣は素手でも何とかなりそうだね」
「問題はこの地下水道の広さだな、ここより奥まで入り込まれたら探しようがないぞ」
さっきから気配を探ってはいるが魔獣ばかりの気配しかない、小猫は更に奥に行ってしまったんだろうか?
「あ、リィン!あれを見て」
噂をすれば影って言葉が東方にあるってユンお爺ちゃんが言っていたけどまさにその通りだね、目の前に小猫がいた。危ない場所にいると分かってないのか小さな牙を剥いて欠伸をしている。
「好奇心旺盛なのか怖い物知らずなのか、とにかく肝っ玉の据わった小猫だってことは分かった」
「可愛いね」
思わずほっこりしてしまうわたしと苦笑するリィン、あの小猫は間違いなく将来大物になると思う。
「さてどうするか……」
「リィン、ここはわたしに任せて」
わたしはゆっくりと気配を消して小猫に近づいていく、警戒心が強い動物は意識に敏感なので意識を周りの空気に溶け込ませて近づいていく。
(……今だ)
そしてギリギリまで近づいて小猫を抱き上げようとしたその瞬間だった、小猫が突然大きく跳躍してわたしの肩を踏み台にして逃げた。
「しまった、リィン!」
「任せろ!」
小猫はリィンのほうに向かっていったのでリィンが小猫を捕まえようと立ちはだかる、小猫は素早く跳躍してリィンから逃げようとするがリィンはそれを読んでいたのか小猫が飛んだほうに腕を伸ばした。
「捕まえた!」
でも小猫は捕まる直前で体を捻ってリィンの腕をかわして更にその腕を踏み台にしてリィンから逃げた。
「なにっ!俺の腕をかわした上にそれを踏み台にして逃げただと!?あの小猫ただものじゃないな!」
「つっこんでないで追いかけるよ!」
「あ、ああ!」
そこからは追いかけっこの連続だった。猫は入り組んだ地下水道を縦横無断に逃げ回る。
「くっ、地理が把握しきれてないから中々追いつけないな!」
「毛が白いから目立つのが幸いだね」
このくらい地下水道では白い毛が目立つので見失うことがないのが幸いだ。もし黒毛だったらもっと苦労をしていただろう。小猫は角を曲がり数歩遅れて私たちも角を曲がると小さな影が浮かんだ。
「そこ!」
わたしは一気に距離を詰めて影を掴んだ。
「ふう、ようやく捕まえた」
わたしは小猫を抱きしめてリィンの傍に向かった。
「リィン、捕まえたよ」
「ようやくか……まったく困ったイタズラ猫だ」
リィンに小猫を見せると彼は安堵した表情を浮かべた、小猫は疲れてしまったのかわたしの腕の中で眠って
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