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英雄伝説〜西風の絶剣〜
第26話 舞台の始まり
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 クレープを食べ終えたわたしたちは適当に街を歩くことにした、今はオスト区を歩いている。


「ふぁぁ、相変わらずこの町って広いね」
「もう何回も来ているが未だに地理が把握しきれていないんだよな、猟兵としては不味いんだけど」
「まあ広すぎるもんね」


 帝都の名は伊達ではなくあまりの広さにわたしたちはこの街の全ての区を周ったことがない。


「おーい、ノノー!どこにいるんじゃー?」


 突然誰かが叫ぶ声が聞こえ何事かと思うと前方に何かを探しているお爺さんがいた、叫んでいたのはあのお爺さんだろう。


「何かあったのかな?」
「ノノっていう子を探しているみたいだが迷子か?」
「迷子……」


 わたしは迷子という言葉を聞いてちょっと悲しくなった、家族が急にいなくなるのはとても辛いって知っているからだ。


「……」
「……フィー、俺たちも手を貸してやろう、あのお爺さんも困ってるみたいだしな」
「えっ?」
「ほうっておけない、そんな顔をしていたぞ」


 リィンはわたしの気持ちを汲み取ってくれたのか力を貸すことを提案してくれた。


「でも猟兵は無益じゃ動けないよ」
「まあ偶にはいいだろう、損得だけで物事を測るのは苦手なんだ。まあ猟兵らしくないってのは自覚してるさ」
「リィン……」


 リィンは頬を指でかきながら照れくさそうに笑う。確かに猟兵としてはありえない行動だろう、でもわたしは昔から困っている人がいると手を差し伸べなければ気が済まないお人好しなリィンが大好きなんだ。


「お爺さん、何か困ってるの?」
「ノノっていう子を探しているみたいですがもしかして迷子ですか?」
「うん?お前さんたちは?」
「通りすがりの一般人です。お節介かもしれませんが何かお困りのようでしたので……」
「おお、そうか!何と親切な若者たちじゃ。わしの名はキートン、わしの大切なノノちゃんが行方不明になってしまったんじゃ」
「ノノちゃんですか……」
「うむ、さっきまで一緒に散歩していたんじゃが目を話していた隙にいなくなっていたんじゃ。わしとしたことが不注意だったわい」


 お爺さんは悲しそうに顔を伏せた、よっぽど後悔しているんだと思う。


「ノノちゃんの特徴を教えてください」
「ノノは綺麗な白い毛をしておっての。それにまだ小さい子じゃから遠くには行けないはずじゃ」
(白い毛……白髪ってこと?まだ小さいってことは2〜3歳くらいかな……?)


 わたしたちはキートンさんからノノっていう子の特徴を聞いてからキートンさんと別れて探すことにした。オスト区からは出ないって言っていたから直に見つけられると
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