五 鈴鳴る向こう
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をすぐさま診る。
「麻痺してるわね〜…瞳孔が収縮してるわ」
いのの意見に頷きながら、ヒナタが『白眼』で体内を透かし見る。
「…筋肉を収縮する神経伝達物質の伝達が滞ってますね…」
一目で正確な診察をした二人の木ノ葉のくノ一に、感嘆している砂忍を、バキは苛立たしげに問い質した。
「一体、何があった?」
「それが…とても取り除けない場所に配置されている起爆札があり…仕方なくあえて爆破させたところ…その爆風の煙を吸った者達が次々と…」
おどおどと状況を説明する砂忍を前に、バキは眉間を指で強く押さえ、「何故、上に指示を仰がなかった…」と呆れが雑じった声を喉から搾り出した。
「勝手な判断がこのような状況を招いたのだ!もっと慎重に行動しろ!!」
怒鳴るバキの背後で、淡々と患者を診ていたヒナタといのが、忙しなく手を動かしながら眼を細めた。
「状況から察するに、その爆風がただの爆風ではなかったようですね」
「瞳孔の収縮、痙攣、咳…症状から見て、おそらく毒ガスね〜…」
ただの爆発ではなく、毒ガスを孕んだ爆風をその身に受け、全身全身が麻痺している。
もっとも幸いなことに、命に別状はないようだ。症状もさほど重くない。
だが、人数が人数である。
カンクロウの治療を終えたばかりだが、いのとヒナタは手分けして彼らを診た。毒に詳しいチヨも、二人と協力して、患者を治療する。
三人は流石に手馴れていたが、特に『白眼』を持つヒナタの正確な手腕は見事だった。
頼もしい同期であり仲間であり友達であるヒナタといのの二人を、ナルは誇らしげに見る一方で、同時に何も出来ない自分を歯痒く感じる。
できることと言えば、包帯を変えたりタオルを洗ったり、といった簡単な作業だ。
テマリも医療関係の知識はないので、さほど助力できない己を悔いているらしく、唇を噛み締めている。けれども、時々、チヨに教えてもらったのか、ナルよりは手早く治療の補助をしていた。
やがて医療忍者の能力の高さから、比較的早く、患者達の呼吸が落ち着いてきた。
それでもまだ、油断はできない状況で、まだ毒ガスの影響を受けている砂忍もいる中、『暁』の追跡を頼んでいた、忍犬が戻ってくる。
我愛羅の匂いもした、と報告する忍犬――パックンの話を聞いて、カカシは顔を顰めた。
「そうか…すぐにでも出発したいが…」
チラリ、とカカシは、医療忍者が奮闘する治療室を窺う。カカシの視線に気づいたヒナタが手を止めた。
忍犬とカカシ、そしていのへ視線を這わせ、最後に、ナルを見る。
決断は、早かった。
「こ、ここは私に任せて、先に我愛羅くんを助けに行ってください…!」
いつものように口ごもりながらも、ヒ
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