第三幕その七
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「実際に」
「ううん、そういえば桜もだよね」
老馬は今皆が待ちに待っているお花の色を思い出して言いました。
「淡い中間色だね」
「赤と白のね、桃色よりも淡い色で」
ジップは老馬に応えて言いました。
「そうした色だね」
「桜の色も目に優しいし」
最後にホワイティが言いました。
「中間色自体がいいのかな」
「うん、白やそうした色は目に優しいからね」
先生も言います。
「原色の派手な感じが抑えられてね」
「目に優しくて」
「心が和む」
「そうなのね」
「そうだよ、さてそれでね」
また言った先生でした。
「桃も見ようね」
「うん、今からね」
「皆でそうしましょう」
「梅も桃も観ましょう」
「今日もね」
「そうしようね、こうして観ていると」
目を細めさせてこうも言った先生でした。
「お花見で日本酒を出して」
「飲みたくなるのね」
「お花を肴に飲むのね」
「観るのを楽しみながら」
「そうしたいのね」
「そうも思うよ」
実際にというのです。
「今実際にね」
「この前日本酒飲んだのに」
「あのお酒は飲み過ぎるとワインよりよくないんでしょ?」
「だからあまりって言ったのに」
「もうそう言うの?」
「うん、梅や桃に合うお酒っていうと」
先生が思うにはです。
「日本酒だって思ったから」
「中国でも観るでしょ」
「だったら桂花陳酒はどう?」
「杏酒もいいでしょ」
「そういうのにしたら?」
「あっ、そうしたお酒もいいね」
先生は皆が挙げた中国のお酒にも関心を向けました。
「どれも好きだよ」
「そうよね、だったらね」
「そうしたお酒の方がいいわよ」
「今日飲むならね」
「そうしたお酒にしましょう」
「そうだね、日本酒は前に飲んだしね」
本当に数日前にです。
「だったらね」
「そうそう、日本酒はまた今度」
「この前一升開けたじゃない」
「一昨日かその辺りに」
「だからね」
「梅や桃は中国にもあるし」
「そうだね、桂花陳酒や杏酒もね」
先生はあらためてそうしたお酒について言いました。
「美味しいしね」
「あと紹興酒も?」
「あのお酒も?」
皆はこの中国のお酒もお話に出しました。
「先生結構飲んでるわね」
「そうよね」
「うん、あのお酒も好きだからね」
だからというのです。
「飲むよ」
「先生の味の好みは広いからね」
「学問と一緒で」
「だから色々なお酒も飲むのよね」
「世界中のお酒を」
「そうだよ、蒸留酒も飲むしね」
普通のお酒だけでなく、です。
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