第三章
[8]前話
「大問題よ」
「茶色や赤や白の人はどうなるって」
「もっと言えば目とかね」
「カラコン入れろとか?」
「あれ目への負担大きいらしいわよ」
そうした話になっているのだ。
「だからね」
「青い目限定にしろとかね」
「問題よね」
「どうしても」
「大騒ぎになるわよ」
アメリカではというのだ。
「絶対に」
「お肌の色になると」
「アメリカで?」
「それこそ恐ろしいことになるわよね」
「人種問題になってね」
アメリカで最も注意されているこのことでというのだ。
「その学校潰されるわよね」
「確実にね」
「そこまで極端でなくても」
目や肌にまで話はいかなくてもだ。
「アメリカで髪の毛の校則なんてあったら」
「大問題よね」
「確実にね」
「お国が違っても日本でもね」
「地毛の人に無理に染めさせるとか」
黒髪でなくても茶髪でなくてもだ、一つの色に統一して。
「変な校則よね」
「毛染め駄目って言ってて黒髪に染めろとか」
「おかしいわよね」
「どう考えてもね」
「だからあの校則もね」
「変わってよかったわ」
こう二人で話すのだった、ひかりは確かに自分の黒髪が好きだ。だがそれでもそうした話はどうかと思った。
それでだ、母にも家で話をした。
「黒髪じゃなくてもいいわよね、地毛が」
「そりゃそうでしょ、金髪は金髪でね」
母もこう娘に返す。
「いいでしょ」
「そうよね、やっぱり」
「ええ、何か最近そうした話が話題になってるけれど」
「地毛ならね」
「それでいいのよ」
「そうね、じゃあ私はこれからもね」
ここでまた自分の黒髪を見た。
「私は黒髪のままでいるわね」
「そうするのね」
「よく手入れしてね」
その自慢の黒髪を維持するというのだ、こう話風呂に入った時はシャンプーもリンスもコンディショナーもして拭くのも丁寧にした、そうしつつ自慢の黒髪を大事にするのだった。
黒髪 完
2017・10・30
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