Fate/Grand Order編
悲劇で終わりの物語ではない
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ーの死徒狩りなど雇うべきではないと反対意見が多く飛び交ったが所長の一喝とウィスの力技で黙らせた。その一件でカルデアの魔術師たちに煙たがられることになったがウィスは全くこれを気にしていない。
また驚くことにキャスパリーグもこのカルデアにいた。キャスパリーグの正体を知っている身としては神秘が薄れた現在に存在すべき存在ではないと思うのだが。
どうやらマーリンに全て遠き理想郷から外の世界を見て来るように言われ送り出されたらしい。本人言わく追い出されたらしいが。マーリンの言い分も理解できないこともないが、キャスパリーグを何の対策も打たずに外の世界に送り出すなど短慮と言わざるをえない。
キャスパリーグはビーストに至る可能性を秘めた獣なのだ。争いが激減したとはいえ災厄の獣に至る可能性を現代でも十分秘めている。本人も人との接触を全て遠き理想郷に引きこもることでビーストに至らないようにしていたというのに、あの屑は……。
肩に乗ったキャスパリーグのモフモフな顎を指先でさすりながら感慨深けに考える。
「やっぱマーリンは屑だわ。」
「フォウ(それな。)」
結論、やはりマーリンは屑。即決。キャスパリーグは勢いよく首を縦に振る。
「次に会ったときはフォウ頼むわ。」
「フォフォウ、フォーウ!(任せな、ウィス!)」
意気投合しハイタッチし合う2人。ウィスはフォウの小柄な両手を握りブラブラと空中にぶら下げる。キャスパリーグの尻尾は揺れに揺れていた。
このカルデアではキャスパリーグはフォウと呼ばれているらしい。本人も自分の真名が周囲に露見することは望んでいないのでフォウという愛称を存外に気に入っているらしいが。
キャスパリーグが自分に懐くのは恐らく自分が他の何者にも勝る超越者であり、この惑星の頂点であるからであろう。文字通り比較対象がいないのだ。この世界には大神官と全王が存在しないことは既に検証済みである。加えてウィスが正確には真っ当な人間ではないことも影響しているとも考えられる。
また驚くことにこのカルデアには自分以外にも懐いている人物がいた。その人物の名はマシュ。このカルデアで生み出されたデザインベイビー、つまりホムンクルスである。ゆえに彼女はこの世界の誰よりも心が澄んでおり、キャスパリーグは懐いたのだと考えられる。
またキャスパリーグ以外にも気になる存在がいる。レフである。まだ確証は持てないが奴から感じられる気がとても禍々しいのである。しかし自分は現状彼に何も干渉することができていない。恐らく人理が影響しているのだと考えられる。
──悠久の時を生きるウィスはこの世界そのものと様々な誓約を
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