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悲劇で終わりの物語ではない - 凍結 -
Fate/Grand Order編
悲劇で終わりの物語ではない
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えるジャンヌ。ウィスの視線から逃げるように忙しく目を動かしている。

 彼女のあからさまな反応にため息を吐くウィス。

「よし今からみっちり勉強するからな。」

 ジャンヌの首根っこを掴み、持ち上げる。ジャンヌは手足をバタつかせている。

「うぇ!?今からですか!?」
「当然。勉強は将来のためになるからな。」

 そう、勉強大事。

「そ…そんなぁ。」

 項垂れたジャンヌの首根っこを掴み上げウィスは村へと引き返していった。

 この日からジャンヌ強化計画が幕を開ける。ジャンヌには徒手空拳と槍術を中心に徹底的に鍛え上げた。ジャンヌのこれからの苦難を知っている身としては少しでも彼女を強くしておきたいからだ。



 後に聖女と称される少女の手助けをしたり─







 時には─

 戦場という血塗られた地獄で己の身を犠牲に死傷兵たちへと献身と奉仕を施し続けた女性と出会ったり─














 死という概念が存在しないウィスは数多の英雄たちとの出会いと別れを繰り返し続けた。彼らは常に確個たる己の信念のもとに行動し、英雄の名に恥じない者たちであった。

 そして神代は終わりを迎え、西暦を経て人類は地上で最も栄えた種となった。かつて世界を支配していた超常の存在である神々や地上に蔓延していた神秘は皆一様に世界の裏側へと姿を消した。今や地上は人類が支配する時代である。

 時は2000年代。人類の最盛期とも言うべき時代が到来し、人が自らの足で道を切り開いている。対するウィスは相変わらず生き続けており、現在はカルデアの警備員として勤務していた。







△▼△▼△







 ここは標高6000メートルの雪山に存在している各国共同で作られた特務機関。名をカルデア。人類の繁栄と存続を確実なものとするべく作られた人理継続保障機関フィニス・カルデアである。

 時計塔の天体科を牛耳る魔術師の貴族であるアニムスフィア家が管理し、日々職員たちがカルデアス表面の文明の光を観測し続けている。全ては未来における人類社会の存続を保障するために。

 そんな中ウィスは自身のマイルームにて読書にふけっていた。ウィスが手に持つ本のタイトルは"名の無き英雄"。本人の知らぬところでウィスのことが記された書物である。


"……このように人類史で彼ら英雄を育て、導き、共に生きた者がいたと予想されている。()の英雄を語るとすればただ圧倒的な力を誇る超越者、神を戒める者、星の最強主、第3魔法の体現者と様々な呼び名が存在する。未だに明確な証拠は見つかっていないが人類史で()の英雄の存在を示唆する傷跡や書物が各地で多く発見され
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