Fate/Grand Order編
悲劇で終わりの物語ではない
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裂けば見えるのか?」
自身の胸に手を置き途切れ途切れに口を動かすソロモン。
「いや、心とは形あるものではなく、無形のものだ。例え身を引き裂いたとしても見ることはできない。」
そう、心とは決して目に見えるものではない。ましてや胸や頭の中に存在する有形のものではないのだ。
「─まあ、今のソロモンのように自分とは何者なのかを追い求め続けることが人間であることだと思うぜ。」
「王」としてあらゆる自由を奪われた孤独の王と語らい─
時には─
自身の身を顧みず他人に施しを与え続けた英雄と語らい、己の技量を高め合ったりもした。
時には─
とある国の妃である王女とその娘たちが敵国である兵士たちに汚されそうになっていたのを救いだしたこともある。彼女は誰よりも祖国と民を愛していたがゆえに祖国を蹂躙した敵国を許さなかった。最後はウィスにお礼を述べ武器を手に戦場に赴いていった。彼女の最後は敵国の多くの兵士たちを蹂躙した後の戦死だと聞いている。彼女が蹂躙した敵国の都市の市民は何故か死傷者はゼロであったと言われているが。
時には腹ペコ王と─
「ウィス!今日の夜の献立は何ですか!?」
厨房の扉を壊れるほどの勢いで開け、こちらに詰め寄ってくるアル。どうやら今日の王務を終えたらしい。
「来たな。この腹ペコ王が。」
「なっ!?腹ペコ王とは私のことですか!?」
そうなのだ。この腹ペコ王はいつも食料が空になる勢いで暴食するのだ。この国の食料事情を考えれば不思議なことではないのだが。
「言葉通りの意味だ。アルはいつも皆が引くくらい食べているだろ?」
夜食を皿にすくいながら腹ペコ王へと諫言するウィス。
「うっ!…確かにそうですが、その呼び名は止めてください!!」
アルは恥ずかしいのか頬を赤らめている。視線は依然として夜食に向けられているが。
「ほい、今日の夜食だ。」
アルをテーブルへと案内し、今日の夜食を机の上に置くウィス。
「もきゅもきゅ。」
「ちょろいな、おい。」
アルは食事を出すと先程までの剣幕が嘘のように消え、もきゅもきゅと可愛い咀嚼音と共に夜食を食べ始めた。頬をリスのように膨らませている。最近アルの餌付けに成功した気がしてならない。
理想の王として自身の心を殺し、誰よりも国に尽くした王と出会い─
時には─
自身の親に認められたいがために国を滅ぼした1人の少女の相談に乗ったこともある。
時には全て遠き理想郷にて─
「フォウ、フォーウ!
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