Fate/Grand Order編
悲劇で終わりの物語ではない
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減する必要は皆無であった。
時には─
将来怪物になることが運命付けられた1人の女神と旅をしたり─
時には─
卑劣な手段で純潔を奪われそうになっていた森の狩人である彼女を救い出したこともある。その後彼女はとある女神の手により獣にされてしまったが。ウィスは獣と化した彼女と世界を見て回ることになった。
時には─
あらゆる者に裏切られ途方に暮れていた魔女と出会い─
時には─
「心とは……何だ?」
玉座に座るはイスラエルの絶対者にて唯一無二の王。ギルと同じく神々の意志のもとこの世界に王として作られた存在。違いを述べるとすればギルとは異なり人としてのあらゆる自由を奪われ、神々の操り人形と化していることである。いつの時代も神々はろくな存在ではないのだと実感する。
彼の王とウィスがいるのは王の宮殿。王の居間は煌びやかな装飾が施され、何人も立ち入ることを許さないとばかりの雰囲気を醸し出している。彼ら以外に人の姿はなく完全なプライベートでウィスはソロモンと対面していた。
彼の王のその端正な顔に浮かぶは素朴な疑問。表情の変化が乏しい彼が絞り出すように心という存在についてウィスへと問いかけていた。
「いきなりどうしたんだ?」
普段自身の内面をおくびにも外に出さない彼の王のらしくない姿に怪訝な顔を浮かべるウィス。
「私は神の意志のもと作られた存在だ。ウィスは気付いていると思うが民達の目には私は愛ある王として映っているが、本来の私の内面は悲しいほどに無感動なのだ……。」
まるで懺悔するがごとく己の内面を吐露するソロモン。
「……。」
返事を返すことなく黙って耳を傾けるウィス。彼の王の独白は続く。
「人が当たり前に享受することができる喜怒哀楽の感情を私は感じることができない。いやそもそもその自由も私は持ち合わせていないのだ……。」
首を垂れ掲げた自身の両手を見つめるソロモン。どこか哀愁を漂わせているのは見間違いではないだろう。
「─心…か。」
これはまた難しい問いかけがきた。ウィスはしばしの間彼の疑問に相応しい答えを模索する。
「─心とは、……人が誰しも持つ喜怒哀楽などの精神の動きを掌るものだ。決して論理的に説明できるものではなく、人を人たらしめる存在のことだな。一説には心とは胸や頭の中に存在しているとも言われている。」
上手く伝えることができたであろうか。ウィス自身このような問いかけに答えるのが初めてであるため上手く説明するこができたか自身がない。
「─ならば心とは頭蓋を砕けば、─胸を引き
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