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悲劇で終わりの物語ではない - 凍結 -
Fate/Grand Order編
悲劇で終わりの物語ではない
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黄金の杯に神酒を注ぎこみ乾杯する2人。

「ああ、そういえば先日エレシュキガルの妹であるイシュタルに会ったぞ。」

 黄金の杯に注がれた神酒を口に運びながら語り掛けるウィス。

「うげっ…、それ本当?」
「ああ。」

 イシュタルの名を聞くと途端嫌そうな表情を浮かべるエレシュキガル。やはり姉妹仲は依然として悪いままであるらしい。彼女たちを取り巻く環境は知っているが少しは仲良くしてほしいものである。



 ウィスとエレシュキガルがいるのは光が一切差し込まない冥界の深奥。死と絶望のみが蔓延る暗く閉ざされた世界で2人は会話に花を咲かせた。

 彼女は神代が終わり、自分の存在が不要と見なされるその時まで1人で冥界に居続けるのだろう。彼女が女神として課せられた務めを果たすその時まで。だが彼女は決して1人ではない。ウィスも時間ならば腐るほどあるのだ。彼女が望むならば自分は彼女がこの世界から消えるその時まで共に居続けるつもりである。



 残念な女神の姉である女神と冥界で酒を酌み交わしたり─







 時にはスカサハ(おっぱいタイツ師匠)と─

「お主のためにこのゲイ・ボルグを作ったのだ。願掛けの意味合いを込めてある。もちろんこの血は儂のものだ。」

 頬を赤く染め、生娘の様にこちらに血のついたゲイ・ボルグを差し出してくるスカサハ。本人は照れているのか顔を伏せている。

「お……おう。ありがとう、スカサハ。」

 超常的な世界で生き続けている影響で忘れてしまいがちだが、人並みの倫理観や常識を忘れないように心掛けているウィス。だがやはり現代人の感性ではこの時代の人々の感性は未だに測ることができないでいた。

 ウィスはスカサハに少し引きながらも彼女からの血濡れのゲイ・ボルグを貰い受ける。女性からの贈り物を無下にするなど言語道断である。

「礼など言わなくてもいい。私と──ウィスの仲だからな。」

 スカサハは此方を扇情的な表情でこちらを見てくる。彼女からは自分への深い依存とも言える熱烈な想いと好意を感じた。

 スカサハからの想像以上の強い想いに戸惑うウィス。

 結論、保存。流石にこの案件は自分には荷が重かった。仕方ないよね。スカサハからの愛が想像以上に重いんだもの。



 スカサハから血濡れのゲイ・ボルグを貰ったり─







 時には─

 権能という超越した力を持つがゆえに人類を玩具の様に扱う傲慢な神々を戒めたこともある。特に酷かったのはとある山の頂上に住まう12の神々たちであった。自身に課せられた誓約により彼ら神々を殺すことはできないが逆を言えばいくら殺そうとしても彼らは決して死ぬことはないのだ(・・・・・・・・・)。故に手加
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