0205話『ハロウィンの日と油断』
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ながらも私はお菓子を二人にあげる。
「わーい! それじゃ提督、次にいっくねー!」
「あ! 島風待ちなさい! その、あなた! この恰好はあんまりじろじろ見ないでね……? も、もう行くから……それじゃ!」
島風は元気に、天津風は少しツンツンしながらも出て行った。
うーん……天津風は初々しくていいね。
そしてお次は、
「ぽーい! 提督さん! お菓子をくれないとイタズラしちゃうぞー!」
「その、司令官! トリック・オア・トリートです!」
「睦月にお菓子を献上するにゃしぃ!」
夕立と吹雪と睦月の三人は揃ってウサギさんの恰好をしてきた。
島風が予想を外れたのでこちらで来たかと思いながらも、
「三人とも可愛いな。はい、それじゃお菓子を献上しようじゃないか」
「わーい! でも、いたずらもするっぽーい!」
「うわっ!?」
夕立はそれで私の胸を鷲掴みにしてきた。
なんてことだ! これではお菓子の意味がないじゃないか!
「ゆ、夕立……やめなさい! うっ……ほんとに、やめ……ッ!」
「ふっふっふー! 提督さんのお胸はとっても柔らかいッぽーい!」
「あわわ! 夕立ちゃん、やめようよ! その、司令官も変な感じになってきたし……」
「そういう吹雪ちゃんだって興味津々みたいにゃしー! 睦月もまぜるにゃしー!」
「もう! 睦月ちゃんまでー!?」
「……ッ! ッ!!」
私は必死に口を抑えて変な声を出さないように堪えていた。
ここで変な声を出してしまったらそれこそ変態じゃないか!?
いや、今の私は女性なんだから別に平気なのか!? いやいや、そんなわけはないしね!
《て、提督! 耐えてください! ここが踏ん張りどころですよ!》
榛名ー!? そう思うんだったら夕立と睦月を説得して!?
それで私は嵐が過ぎ去るまで必死に耐えていた。
終いには腰砕けになってしまったのか床に突っ伏してしまっていた……。
「むふー……堪能したっぽい!」
「睦月も睦月も!」
「はー……司令官、大丈夫ですか……?」
「い、今はあまり私に触れないでくれ……体がやけに敏感になっているから……」
「ほんとーにすみません。後でなにか謝罪の品を持ってきますね。ほら、いくよ! 夕立ちゃんに睦月ちゃん!」
ちゃっかりお菓子も確保しながらも私の身体を堪能した二人を引っ張って吹雪は消えていった。
私はしばらくの間、体の火照りを収める為に必死になって立ち上がってなんとか椅子に座って机に突っ伏していた。
《提督……大丈夫でしたか?》
「なんとか……体の敏感さも少しは収まってきたけど、夕立と睦月め……遠慮を知らないなまったく……」
《あはは……とにかく平気そうで良かったです》
榛名の苦笑いが今は恨めしいと感じるのは間違っ
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