第二章
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「百発百中とはいかなくても」
「それでもなのね」
「得意ですよ」
「じゃあやっぱり」
「忍者だってですか」
「思ったわ、オリエンテーションでも期待出来るわね」
忍者ならと言われるのも常だった、だがそれでもだった。
唯はいつもこうした時はいつも誤魔化していた、自分が実は忍者の家系で忍術を身に着けていることは隠していたのだ。
だが中学校の林間学校の時だ、唯は不意にだった。同じ班の面々にこんなことを言った。
「小川の水は絶対にそのまま飲まないで」
「生水は飲むなっていうけれど」
「大丈夫じゃないの?」
「危ないから」
こう言って止めるのだった、そしてだった。
ライターを出してだ、皆にあらためて話した。
「乾いた木の枝集めてね、乾いてないと乾かしてからね」
「火を点けてなの」
「その火でなの」
「そう、やかんとかに入れて沸騰させるの」
「そうして飲むのね」
「火は」
「そうして、あと喉が渇いてもお水がない時は」
その時のことも話す唯だった。
「丸い小さな小石を舐めればいいっていうけれど」
「それもよくないの」
「そうだっていうの」
「道に落ちている石も不衛生だから」
生水と同じくというのだ。
「だから梅干の種とか舐めて、梅干しを食べて」
「その種を舐める」
「そうすればいいの」
「そうすれば唾液が自然と出るから」
舐めているうちにというのだ。
「その方がいいわ、あとお水は土を掘って穴にサランラップを置いてね」
「そうしたらお水出るから」
「穴の中にお水を受けるコップとかを置いて」
「そこにお水を受けてよね」
「集めればいいのね」
「川がないとね、あとね」
さらに話す唯だった。
「食べられる茸と食べられない茸もね」
「いや、食べないよ」
ここでだ、同じ班の男子の一人が唯に驚いた顔で言ってきた。
「だって僕達カレー食べるし」
「夜は」
「そうだよ、お昼もそんなの食べないしね」
それでというのだ。
「そこまではね」
「いや、山で何日も過ごしたりとかね」
ここでこうも言った唯だった。
「あるでしょ」
「いや、普通ないよ」
その男子は唯の言葉に怪訝な顔で返した。
「山で何日もとか」
「大阪でそれはないよ」
別の男子生徒も言ってきた。
「街なのね」
「そうだよね。山で何日もとか」
三人目の男子生徒も言う。
「大阪にいたらないよね」
「ちょっとね」
「そうかしら、まあね」
それでもと言う唯だった。
「そんな時もあるって思ったら」
「そんなのボーイスカウトでもないよ」
「そこまではね」
「陸上自衛隊でもないと」
「そうだけれどね」
忍者であることは隠して言う唯だった、その他にもだ。
唯はついつい山の中でどう隠
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