第25話 フィーとのデート
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眠くなってきたのか目をこすっていた。
「フィー、眠いのか?」
「ん、ちょっと眠いかも……」
「でも食べたばかりですぐ寝るのは体に良くないし……そうだ、マーテル公園に行かないか?ちょっと歩いてから昼寝したほうがいいだろう」
「……いいの?折角のデートなんだしリィンがしたいことをしてもいいんだよ?」
「デートっていうのは相手と一緒に楽しめなければ意味がないだろう?俺はフィーと過ごす時間が好きなんだ。さあ行こう」
「リィン……うん」
フィーの手を取り俺たちはマーテル公園に向かった。
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side:フィー
リィンと一緒にマーテル公園に来たわたしたちは食後の運動も兼ねて公園内を歩いていた。
「のどかだね……」
「ああ、帝都の中にいるとは思えないくらい穏やかだな」
小鳥たちの鳴き声と暖かい日差しが眠気を誘ってくる。わたしは眠気を覚ますために目を擦るがリィンに止められる。
「あまり目を擦るのは良くないぞ」
「ん、ごめん」
「ははっ、そろそろ昼寝するか?」
「うん」
リィンは近くにあったベンチに座りわたしはリィンの膝を枕にして横になる。
「寝づらくないか?」
「大丈夫、とっても心地いい……」
「そうか、なら俺はさっき買った本を読んでるからならゆっくり寝てな」
「ん、お休み……」
わたしはそう言って目を閉じる。温かい日差しとちょっと固いけど一番安心するリィンの膝枕は極上のセット、今わたしが一番お気に入りのお昼寝場所だ。
リィンはさっき買った本を読みながら時々わたしの頭を撫でてくれる。リィンの撫でテクは反則だと思う、女の子を安心させてしまい心も体も虜にしてしまう。彼の手は魔性の手に違いない、だから他の女の子が犠牲にならないようにわたしが独占しないといけない。
(……何時からこの感情を抱いたんだっけ?)
初めてリィンと会った時、わたしが最初に感じた事は傷だらけの人、というイメージだった。何だか無理をして自分だけで背負い込んでしまいそうな彼を見て思わず頭を撫でてしまった。そこからリィンと兄妹としての生活が始まった。
最初はお義兄ちゃんとして慕っていた。わたしの事を大事にしてくれるリィンは私が初めてできた家族の中でも一番近い存在だった。
でもリィンがD∴G教団に攫われてしまった時はわたしは自分の半身が奪われたかと思うほど絶望した。もう一度彼に会いたくて団長の反対を押し切って猟兵になった。そしてようやく会えた時わたしは嬉しかったけど怖くもあった。
(あの時はリィンに恨まれているって思ってたんだよね)
リィンは誘拐され
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