第25話 フィーとのデート
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暫く鍛錬を続けていたがそろそろいい時間になったので帰ろうとする。
「リィン」
帰り支度をしている途中で誰かに声をかけられる、だが振り返っても誰もいない。周りには気配がないが意識を集中させてみる……お、そこに居たのか。俺は近くの大木の後ろに回ると隠れていた人物、フィーを見つけた。
「フィー、気配を周りに溶け込ませて近づいてくるのは止めてくれないか?」
「ごめん、でもリィンを驚かせてみたかったから」
ペロリと小さく舌を出すフィーに俺は苦笑しながらも頭をなでた。
フィーもこの数年でかなりの実力を上げてきた。俺と一緒にユン老師の元で修行して、より速さを引き出す技法や気配の消し方など剣士ではないが自身に使える技術をフィーなりに取り込んだようだ。特に気配を周りの景色などに溶け込ませて自然体になるクラフト『エリアルハイド』は俺でも神経を集中させないと見つけられない。
因みにユン老師はフィーに滅茶苦茶甘い。まるで孫を溺愛する祖父のようでフィーもお爺ちゃんと呼んで慕っている。老師には本当の孫もいるみたいだがもしかしてフィーみたいな感じの子なのか?
「しかしフィーも強くなったものだ。今じゃ俺を補佐する小隊長だもんな、いずれ分隊長にもなれるんじゃないのか?」
「ん、まあ分隊長にはあまり興味はないけどね。わたしはリィンの補佐をしたいし」
「フィー……ありがとうな」
「どういたしまして」
この子には本当に頭が上がらないな。昔から俺の事を気遣って色々と補佐してくれていたがこうやって傍で支えてくれる人がいるというのは幸せな事なんだろう。俺もいい義妹を持てた事に幸せを感じるよ。
「これからもよろしくな、フィー」
「うん」
可愛らしく微笑みながらニコッと微笑むフィー、そんな彼女にほっこりしながらそういえば何故ここに来たのかフィーに質問した。
「そういえばフィーはどうしてここに?俺に何か用でもあるのか?」
「ん、リィンにお願いがあって来たの」
お願い?一体何だろうか。
「明日からヘイムダルでお仕事があるよね」
「団長が暫くはヘイムダルに滞在するって言ってたな」
「五日後の仕事の後わたしとリィンはお休みになってるでしょ?」
「ああ、そうだけど……」
「じゃあわたしとデートしよ?」
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(デートか……フィーとは何度も一緒に出掛けているがデート何て言い方をしたのは初めてだな)
フィーからデートのお誘いを受けた俺は、予定通りエレボニア帝国の首都ヘイムダルに着き仕事をこなしていきあっという間に五日目のデート日になった。
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