現実
俺の名前は山野一郎、ラノベを愛する普通の高校生だ。
今は部屋でくつろいでいるが、ハッキリ言って毎日は楽しくない。
学校では虐められるし、家では学力の高い弟と比べられる。
俺の好きなラノベの主人公はこうじゃない、女の子にモテて、強くて、運が良くて、頭が良い。
俺はハッキリ言って、その真逆だ。
「一郎〜 ちょっとお使い行ってきて〜」
「…ハイ」
家はスーパーマーケットの近くなので、よくこうやって使いっぱしられる。
無論弟はお使いに行ったことは無い。
理想と現実のギャップがここまで辛いなら、ラノベなんか読まなきゃ良かったとさえ考えた。
俺には明晰な頭脳も端麗な容姿も無いのだから。
うつむきながら歩いていると辺りが明るくなった。
途端にクラクションの音がした。
「あっ」
灯りと轟音の主、トラックが走ってきていたのだ。
跳ねられた瞬間に感じた。
「ラノベみたいには行かないな」と。
自分はまだ現実を甘く見ていた。
そう感じながら俺は最後の瞬間を迎えた。
だが、俺は最後に
ラノベと同じ死にかたをしたのだ。
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