パラドックス
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ましたか?」
麻美が心配そうに尋ねる。
高齢の男の代わりに中年の男が答える。
「あなた達……どうやって……ここに来たんだい?」
麻美が今起きた出来事を話す。
中年の男が子供のように泣き崩れる、女は下を向きながら呪いのように何やらブツブツと独り言を言っている。
「あんたらに話しておく事がある」
高齢の男が語り始めた。
男の話では家族3人でドライブに来たという、帰りの一本道でまるで自分達を邪魔するするようにノロノロ運転の赤いスポーツカーが前を走っていたという。
「今考えれば……あの車が……悪魔の使いだったのかも……」
美樹はひょっとしてと思ったのでそのまま口に出す。
「ひょっとしてその車ってこの車ですか?」
「ああ、同じ車種だよ」
美樹がさらに質問する。
「さっき私達の後ろを走っていませんでしたか?」
高齢の男は首を振ったあと遠くを見つめながら
「ドライブに来たのはもう40年以上も前だよ」
男は今までの事を2人に語った。
車内でCDの音楽を聴きながら男の話を分析する。
「つまり40年もこの山から出られていないってことでしょ?」
麻美が軽い感じで話す。
「そうなるわね」
「でも……」
麻美から軽い感じが消える、そして自分の鼻を下から指で上に持ち上げ豚鼻にして美樹を見ながら話す。
「ユーノスロードスターは40年前はまだ発売されていないわ!」
「えっ?」
美樹は驚く、そしてすべて分かったような気がした、美樹も指で自分の鼻を下から持ち上げ豚鼻にして麻美を見ながら話し始めた。
「40年前にあの人達の前を走っていたノロノロ運転のどうしようもない車はこの車なのよ」
麻美はやや苛立ったように
「だからまだこの車は発売されてないって言ってるでしょ?」
そば屋の前で老夫婦と息子はしばらく地べたに座っていたがやがて飽きたのか何処かへ立ち去って言った。
「つまりここは歪んだ空間なのよ、時間がずれているというか……」
美樹はどう説明使用かと迷う。
「ええっと、2台の車が消えたのは同時だけどここに現れたのがあの人達と私達で40年ズレた……そんな感じかな……」
軽自動車が先に消えたが40年の月日を考えればほとんど同時だと思った、ただ美樹も自分の説明が合っているかどうかの自身がなかった。
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