第十六話 蜉蝣の命
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テレーゼ・フォン・ゴールデンバウム
ちくしょうちくしょうワンワン泣いていると、女官がお父様とお母様が会いに来てくれたと伝えに来てくれた。お父様とお母様が来てくれた、悲しいはずなのに来てくれたすぐに会いたい、走って出て行った。
「お母様ー、お父様ー」
「テレーゼー」
「テレーゼよ」
「お母様、お母様赤ちゃんが赤ちゃんが・・・・」
「テレーゼ残念だけど駄目でした」
「殺されたのですね!」
「テレーゼ其れは違うぞ」
「お父様違う訳無い!」
「テレーゼ本当に違うのよ」
「お母様まで悔しくないのですか!」
「テレーゼ落ち着きなさい、そしてよく聞きなさい」
「お前には辛いかも知れんが、此はゴールデンバウムの宿痾なのじゃ」
「宿痾?」
「そう長い間溜まり溜まった悪いところじゃ」
「悪いところ」
「幼いお前には辛いが、我々の血では赤ん坊が育ち辛いのじゃ、そのため今回の子も死んでしまったのじゃ」
「テレーゼご免なさい貴方に弟を生んであげられなくて」
「お母様が悪いんじゃない」
「お母様もお父様も悲しいんだから、三人で赤ちゃんが天国で幸せになれるようにお祈りしようよ」
「テレーゼそうですね」
「テレーゼそうじゃな」
「今日は一緒に寝ましょう」
「お母様お体は大丈夫なのですか」
「大丈夫ですよ」
「儂も一緒で良いかな」
「はいお父様」
「身支度をしましょうね」
「お父様お母様 、だいっすき」
両親と寝る準備しながら今回のことを考えていた。
今回は本当に死産だったのか、怒り狂ったがお父様お母様が違うといってくれた、可哀想な弟よ天国で幸せにしておくれ。
ゴールデンバウムの血か、確かに遺伝子異常が多い系統だし生命力が弱っているのか。お父様お母様を悲しませ無い為に私がしっかりしないと、今日は怒りに任せて切れてしまったけど、命を守る為に冷静さを強化しないと駄目だ。
「テレーゼそろそろ寝ましょう」
「はーぃお父様お母様」
■オーディン 某所
「ハハハハハようやった」
「あの者見事に任務を成功させてくれました」
「そうよ、一時は失敗したかと思うたが見事にやってくれた」
「流産を狙いながら其れが失敗したときの為に奇形児と言う次作を行っておりました」
「奇形児とはゴールデンバウムの血のなせる技か?」
「其れもございますが、フェニトイン、プリドミン等の薬を使うと奇形児率が非常に上がるそうでございます」
「なるほど其れは此からもつかえるの」
「御意」
「あの者には此からも逐一繋ぎをするようにせよ」
「御意」
「ハハハハハアーハハハハ」
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