暁 〜小説投稿サイト〜
転生とらぶる
ペルソナ3
1864話
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味かったが、こちらの方がより美味く感じられる」

 感嘆の声が、桐条の口から出る。
 それを聞きながら、俺もラーメンを食べていく。

「お待たせしました、チャーハンと餃子となります」

 そうして俺がラーメンを半分くらい食べ終わると、ちょうどそのタイミングで店員が残りのメニューを持ってくる。
 このチャーハンもな……こうした料理店の火力でないと、なかなかこうしてパラパラには出来ない。
 少なくても、俺の料理の腕とアパートにあるガスコンロでは、どうやっても無理だ。
 ラーメン屋のチャーハンらしく、具には長ネギやチャーシュー、ちょっと珍しいところでは刻んだメンマといった具が入っている。
 残っていたラーメンを全て食べ終えると、次にそのチャーハンに手を伸ばそうとし……桐条がこちらを見ているのに気が付く。
 いや、正確には、こちらではなくチャーハンを、だ。

「……少し食うか?」
「い、いいのか?」
「ああ。せっかくこうしてはがくれに来てるんだ。しっかりと食べたい料理を食った方がいい」

 そう言い、店員から一枚皿を借りる。
 それに3分の1くらいチャーハンを取り分けると、桐条に渡す。

「……すまない」
「いいって。ラーメン屋初体験なんだから、しっかりと楽しめよ」
「ふふっ、そうだな。なら、そうさせて貰おう」

 そう言いながら、桐条はチャーハンを口に運ぶ。
 箸で食べたので少し食べにくそうではあったが、それでも十分美味かったのだろう。笑みを浮かべて、俺の方に視線を向けてくる。

「これは……美味いな」
「だろう? この味はちょっとその辺の家庭だと出せないな」

 そう言いながらも、桐条の家……寮ではなく実家の方には本格的な厨房があるのだろうから、そこでもこういうチャーハンとか作れそうではあるが。
 そんな風に考えながら、俺は桐条と食事を楽しむのだった。
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