第8話 負けられない戦い
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当の本人は空気も読まずに少々危険そうな目で九鬼の兄弟の会話に混ざっていく。
「安心してくださいお義兄さん!俺が公私ともにサポートして行きますから」
「図々しい!危険指定の軟体海生生物を弟に持った覚えはないわ!あずみ!」
「お任せください英雄様ぁ!」
と、一瞬で準の背後に回り込んで両腕を無理矢理後ろに引っ張り、関節を決めながらドスの効いた声で脅しかける。
「オイこらハゲ、何血迷って紋様に手ぇ、出してやがるっ・・・!」
しかし今の準は普段よりも攻守共に上がっており、あずみの制裁も聞かず怯まない。
「不純な気持ちは微塵も無い!俺は紋様に御仕えし、許されるなら浴槽や手洗い場、それに寝床にも御伴して見守りたいと心から願ってるだけだ!!」
力強く言い切る準に対して、
「やれやれ、此処までのロリコンぶりじゃ手の施しようがないな」
「それ以前に昨日の今日で、何時の間に取り入ったのです?」
「昨夕のホームルーム終了直後に1−Sに駆けだしたんですよ」
「それで到着してから紋白の眼前で膝を付くと同時に忠誠を誓ったんだよね〜」
これらの言葉を聞いたあずみがさらに締め上げる。
「おいハゲ!手前ぇ、2−Fの甘粕委員長が本命だった筈だろうが・・・!」
対して準は依然動じずに浅はかだと嗤う。
「委員長は勿論本命だが、紋様は仕えたい対象なんだ!理想は委員長と将来結ばれて。仕事場は紋様の部下。あー・・・でも、葵紋病院があるんだった。どっちも片手間で出来る仕事じゃない。チクショウ!俺はどうすりゃいい!?どうやって両立できる?」
「おや準、そこまで言うとは本気ですか?」
「紋白がジュンの好みなのは今だけであろうぞ?」
「そうそう、遺伝を鑑みれば紋白は将来確実に大きくなるよ?」
「オイ止めろ!」
小雪とシーマの現実論に、本気でキレた時の顔で抗議する準。
さらには悲しそうに感慨に浸る準に、周囲は呆れ果てる。
「漸く落ち着いてお弁当を頂けますね?」
「まったく、疲れるハゲなのだ〜」
「ふむ。今日のおかずのメインは鳥の竜田揚げか」
それをたまたま見ていた弁慶が喰いつく。
「シーマのそれ、美味そうだな」
「欲しいなら一つやろう」
「ラッキー・・・・・・・・・これは!鳥の素材を十分生かしきった旨み、さらに衣はその旨みを邪魔せず濃すぎないくらいの絶妙さ。その上このタレが何かは分からないが旨さのグレードを引き上げている!これほどの美味、まさかシーマが作っているのか!?」
「ううん、作ってるのはシロ兄だよ〜」
答えたのは質問されたシーマでは無く、何故か誇らしげな小雪だった。
「シロ兄とは?」
「3−Sに
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