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ダン梨・N
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な過ちになるぞ」
「くっそ……正論だけどくっそ……!!め、目先のクズを殴りたい……ッ!!」

 プルプルと震える拳を握りしめながらもベルはやっと決心して俺を倒すのはやめたらしい。

「ええと、あれだぞ!女の子に暴力とかどんな理由があっても最低だぞ!!そういう悪いことする奴はこの僕が許さない!」
「じゃ、ついでに俺も許さん!本音はどっちでもいいけどぉ!!」
「全力でフザケ倒してんじゃねえぞこのガ………き………」

 怒り狂ってとうとう襲い掛かろうとしたお兄さんは次の瞬間絶句する。
 なぜかと言うと、俺とベルが同時に槍を腰だめに構えていたからだ。ベルが持ってるのは俺の予備ね。

 普通に考えて、横幅の狭い裏路地で二つの武器がぶつかり合った場合、二種類の優劣が求められる。一つは単純に小回りが効く方が立ち回りやすいというものだ。そしてもう一つは狭い路地以外でも重要だが路地ではより致命的になる、リーチの差である。
 お兄さんの剣の刃渡りは精々が70セルチ程度なのに対し、俺らの槍は170セルチ。槍としては短めだが、これで同時に戦闘に入ればステイタスに大きな差がない限りお兄さんは槍の刺突を躱しきれない。まぁ、躱したら二人ともナイフに切り替えるのでそれはそれで無問題。
 ザックリ言うと、詰みである。

「どうしたクズ。かかってこい!俺らが正々堂々勝負してやる!正々堂々な!それともテメェはタマ〇ンもついてなけりゃママのおっぱいからも離れられない甘ったれの×××野郎か!?年下のガキ二人にいいように言われても自分一人では覆せない腰抜けか!?ならそこで腰を抜かして哀れっぽく懇願して見せろ!お願いだからもうやめてくださいと涙と鼻水を垂らしながら地べたに顔を擦り付け、□□□のようにへこへこ尻でも振ってみろ!俺はそんな連中を足蹴にするのが好きで好きでしょうがないんだ!」
「うわあ。協力してる僕が言うのもあれだけど、二人同時でリーチに勝る武器を突き出しておいて正々堂々とかよくもいけしゃあしゃあと言えるよね。自分が優位に立っているのを良い事に鬼教官も思わず満足の全力煽りだし、もはやキチーダだね……鬼畜とキ〇ガイとのダブルミーニングで」
「逃げてもいいぞ、腰抜け!尻尾を振って糞尿を巻き散らしながらママの名前でも叫んで逃げてみろ!20年以上も人生を送っておきながらまったくウジ虫にも劣る根性を精一杯に震え上がらせて、ノミの心臓を動かしてみろ!もっとも貴様のようなゴミがそんな力を振り絞っては心臓が破裂してみっともなく路地裏でくたばること請負だがな!!」
「………ッ!!こ………クソ……ああぁッ!!」

 男は全力で何か言いたげだが、目の前に突き出された槍に下手をすると貫かれかねないという現実的な脅威のせいで俺の言う通りのへっぴり腰になっている。年下冒険者にここ
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