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レーヴァティン
第二十六話 騎士その六

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「他の宗教もありキリスト教自体も」
「おかしくなっていないか」
「はい」
 だからだというのだ。
「そうしたこともありません」
「戦乱の中にあってもそのことがいいことなんだな」
「宗教的狂気が存在しないことは」
「あればもっと酷くなってるか」
「遥かに」
「そうなんだな」
「そしてこれから行く騎士団は」
 四人目がいるドラクル騎士団はというのだ。
「特にキリスト教的色彩のない騎士団とのことです」
「そうなんだな」
「はい、そうした騎士団もこの世界では存在しています」
「キリスト教じゃなくてもか」
「神話系統は違いますが」
 しかしというのだ。
「ケルトの様な」
「ああ、ケルトか」
「元々騎士団はそうでしたね」
「ケルト神話からだったよな」
「はい、源流の一つにあります」
「アーサー王もだったな」
 キリスト教を背景にした物語ではあるがだ。
「そうだったな」
「はい、キリスト教でもです」
 それでもというのだ。
「そのベースにはケルトがあります」
「それでこっちの世界の騎士団もか」
「はい」
 順一はここでさらに話した。
「ギリシアや北欧の神話の神々の系統の」
「騎士団か」
「ドラクル騎士団は}
 その四人目がいる騎士団はというと。
「竜自体へのです」
「崇拝があってか」
「その強さを備えようと名付けられた」
「それでドラクルか」
「そうした名前になっています」
「確かルーマニアの方だったか?」
 久志は彼等の世界の東欧の一国を思い出した、あのドラキュラ公で有名な国である。むしろそちらで有名だ。
「あの国の言葉か」
「大体あの辺りだったかと」
「ドラクルってな」
「ドラキュラ公の通称でしたし」
 そのブラド四世のだ。
「ドラクル、悪魔の子竜の子という意味です」
「魔性の人間ってことか」
「はい、魔人ですから」
 それになるからだというのだ。
「そうなります」
「やっぱりあっちの言葉か」
「はい」
「で、その竜の力をか」
 今度は正が言った。
「備えるってか」
「はい、それを意識した騎士団です」
「成程な」
「そしてその強さは」
「実際に竜か」
「そう言われています」
「じゃあ俺達がこれから会いに行く奴もな」
「それだけの強さかと」
 順一は正にも微笑んで話した。
「期待出来るかと」
「だといいがな、じゃあ行くか」
「騎士団の本拠地のケーニヒスベルグまで」
「今からな」
 こう話してだ、そしてだった。 
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