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レーヴァティン
第二十六話 騎士その二
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「そうして死んだんだ、主な関係者全員ね」
「そりゃ他人の財産奪い取る為に謀略使うとかな」
「非道だからね」
「ああ、外道もいいところだな」
「ちなみに教皇も捕まえたことがあるよ」
「ああ、あの話か」 
 ここでだ、久志も気付いて言った。
「世界史の授業で習ったぜ」
「教皇のバビロン捕囚だね」
「アナーニ事件もあったな」
「その二つを起こした王様だよ」
「何か当時の教皇も酷い奴だったんだな」
「キリストを自分すら救えなかった奴だって言っててね」
 バチカンの教皇がだ、信じられないことに。
「富と美女、贅沢が天国だって言って天国も地獄もこの世にあるって言ってたんだよ」
「神様信じてなかったのかよ」
「だからキリストにもそう言ったんだよ」
 自分すら救えなかった男、とだ。
「祈っていた信者にかっとしてね」
「それで贅沢とか美人がか」
「天国で貧乏とかが地獄って言ってたよ」
「凄い教皇さんだな」 
 ある意味でとだ、久志も唖然となって言った。
「そんな坊さんは日本には流石にいなかったな」
「比叡山とかでもね」
「色々な坊さんいたけれどな」
 日本の仏教界にもだ、比叡山も戦国時代まではよく腐敗や俗世化が問題にはなっていたのだ。
「それでもな」
「しかも教皇の座も謀略で当時の教皇さんを蹴落として幽閉してだから」
「フランスの王様とどっこいどっこいだな」
「同じだけ酷い奴だね」
「ああ、その教皇も自業自得だよ」
 フランス王に捕まりそのことで憤死したがだ。
「というか因果応報か」
「そうとしか思えないよね」
「というか外道過ぎてな」
 フランス王も教皇もというのだ。
「凄過ぎるな」
「それでテンプル騎士団はなくなったんだ」
「財産掠め取られてか」
「主な団員は冤罪被せられて処刑されてね」
「そりゃ怨霊にも出るな」
「その団員が崇拝していた悪魔がね」
 それはというと。
「それは多分順一が詳しいかな、僕より」
「バフォメットです」
 聖職者としてだ、順一は源三に代わって久志に話した。
「あの山羊の頭と足、蝙蝠の翼を持ち女の胸の」
「ああ、あれか」
「この悪魔はご存知ですね」
「よく見るからな」
 悪魔について書かれた本でだ、久志もその絵はこれまで結構見てきていて知っている姿だ。
「あれはそこからか」
「はい、そうでした」
「それでその悪魔を崇拝してたってだな」
「フランス王は捏造をしてです」
「テンプル騎士団を潰したんだな」
「はい、バフォメットは彼等が信仰したのではなく」 
 尚バフォメットはムハンマドのフランス語読みだ、イスラムを悪魔だとした考えからの名前の発想だったのだ。
「フランス王達の心にあった悪魔だったのでしょう」
「それでその悪魔を騎士団が崇
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