第二章
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何ともない、それで友人達に話した。
「もう三ヶ月履いてるけれど」
「古い感じがしないのね」
「そうなのね」
「使い擦れた感じが」
「そうなの、底とか生地とかね」
そうしたところがというのだ。
「全然よ、履き心地も変わらないし」
「毎日履いて練習しているとどうしても履き潰れてきた感じするけれどね」
「そうなるけれどね」
「そうじゃないのね」
「そのスパイクは」
「ええ、丈夫よ」
店員が言った通りにというのだ。
「本当にね」
「じゃあ本当にいい買いものだったのね」
「そうだったのね」
「安くて丈夫で」
「しかも履き心地もよくて」
「本当にね、このスパイクなら」
今度は笑みを浮かべて言う莉乃だった。
「次の試合もね」
「いけそう?」
「活躍出来そう?」
「シュート決められそう?」
「いけるかも、オーバーヘッドキックとかね」
このことは笑って言う莉乃だった、実際は莉乃はオーバーヘッドは出来るがそれで得点を入れたことはない。
「いけそうよ」
「それ決められたら最高ね」
「もう決まったってね」
「そんな感じでね」
「いけそうよね」
笑って話す莉乃だった、そして試合に出るとだ。
莉乃は試合の途中から三年の先輩がタックルで足を摺って怪我をしたので交代でセンターフォワードとして積極的に攻めていった、その時にだ。
ペナルティエリア外からだったがだ、シュート出来ると思ってだ。
思い切ってシュートを打った、するとそのシュートが思いの他スムーズに威力のあるものが出てだった。
見事得点を入れられた、そのシュートが決め手になり試合に勝ってだ。莉乃は試合の後でイレブンの仲間達に笑って話した。
「あのスパイクのお陰でね」
「いいシュートが打てた」
「それで決勝点を入れられた」
「そうだっていうのね」
「本当にね」
こう話すのだった。
「よかったわ、だからこれからもね」
「あのスパイク履いてなのね」
「部活の練習もして試合にも出る」
「そうするのね」
「そうするわ、それで若しあのスパイクを履き潰しても」
そうしてもというのだ。
「同じスパイク履くわ」
「そうするのね」
「あのスパイク履き潰しても」
「同じメーカーの同じ種類のスパイク買うのね」
「ええ、もうあれしかないわ」
それこそというのだ。
「だって履き心地もいいし軽い丈夫で」
「しかも安い」
「いい要素が揃ってるから」
「だからなのね」
「あれしかないわ、あのスパイクに出会えたのは」
まさにと言うのだった。
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