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世界をめぐる、銀白の翼
第六章 Perfect Breaker
Misscreate/正義の味方
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思えない。

正直言って、ショウは死後の世界を信じていない。

信じているのはライフストリームとあの「死後の学園」だ。
ここはそのどちらとも違う。

白だけの世界。
一面の真っ白。

何も書かれていないメモ帳のように真っ白だ。
何のラインも図形も色もない。

だがおかしなことに影はあるようで、それがないと自分が浮いているのか立っているのかもわからないほどだった。



足元の翼刀を見る。
しゃがんでゆすり、起こそうとしたがなかなか起きない。

ダメージのせいかと少し待つことにするが


「―――――ショウさんマジ賞賛もの・・・プフッ」

なんの夢を見ているのか、そんな寝言を呟いて笑っていた。


「・・・フッ!!」

パァンッッ!!

「ッタァッッ!?なんだなんだ!?」

「よう」

「あ、ショウさん・・・ぷっ」

パァンッッ!!

「あぶしッ!?」

「痛いか?」

「いたいれふ」

「そうか。じゃあ夢じゃないみたいだな」


それだけ言って、周囲を見回しながらショウが離れる。
翼刀が頬をさすりながら唯子を起こしに行くのをみて、とりあえず大丈夫そうだと一息つく。

直後、再びパァン!!という音がして唯子が起きた。
振り返ると、翼刀のさする頬が、片方のみから両頬になっていた。


「・・・・ぐずっ」

「あ、あんたねぇ・・・寝起きにあんな近づいた顔があったらああするでしょ!?」

ハァ、と溜息をついて頭を振り、ショウが再び歩を進める。


「ショウさん、ここどこですか?」

「さあ?」

カクン、と首を傾けて放心気味にぼやくショウ。
本当に何もわからないようだ。





「オレ達はセルトマンの一撃を防ごうとした。そうだよな?」

「そっすね。俺が槍薙巳で飛ばそうとして」

「俺は食おうとしたんだが」

「私は後ろに隠れてました!!」

「あ?」

「う、嘘だよぅ・・・舜さんのガードしてたんだよ」

「ふむ・・・・・お」


顎に手を合って考えるショウ。
そうしながら歩を進めていると、何かが先に見えてきた。

それをみて、翼刀と唯子が笑う。
このまま何もなかったら、どうしようかと思っていたところだ。

その二人に、ショウは語り掛ける。


「なあお前ら。あれ、なんだと思う?」


そう言って、それらを指差す。
唯子と翼刀にはまだ見えていないが、ショウの目にははっきり見えていた。

あれは本棚だ。
ここからだと一点(目を凝らせば六列の何か)にしか見えないが、あれは並んだ本棚だ。

なんでこんな広大な空間に、たったあれだけ(とはいえ、なかなかの量だ)の
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