第六章 Perfect Breaker
Riders/疾風
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間、そんな道はおれの目の前から消えていたんだ!!!」
そして、風は運ぶ
「倒すなら倒せ。殺すなら殺せ。消し去るのならやってみろ。だがな、その最後の一瞬が、俺の命を突き落とすその瞬間まで。俺は絶対にここから逃げ出さない!!!」
指を立て、足元を指す。
まるでそこに道があるかのように、まっすぐ青年は敵を睨みつけた。
とはいえ
「そうか・・・・」
目を閉じ、その三文字の言葉を咀嚼するようにつぶやく。
そして、彼もまた目的のためにそれを実行する。
「ならば・・・仕方ないな」
「ああ。俺たちには、前に進むしか道は残されていない」
セルトマンが前に出る。
距離にして、蒔風の前方15メートル程。
さらにマジュウたちが下がり、囲む円が大きくなった。
その中心にセルトマンと蒔風が立つように、まるで見届け人であるかのように、十三体のマジュウが彼らを眺めていた。
セルトマンの腕に、魔力が蓄積されていく。
今の蒔風には、それを受けるだけの体力も、弾くだけのパワーもない。回避をすれば、そのまま倒れて終いだろう。
つまり、放たれればそれは確実な死を意味する。
だが、逃げない。
ここで最後だとしても、彼の足は前へと進む。
一歩。
だが、ガクつく足ではそれすら困難。
それでも、もう一歩。
前に進む。
それが俺だといわんばかりに、進む。
これが人間の強さ。
諦めず、前に進む魂。
それが良くも悪くも、人類という種をこの域にまで高めて来た。
片や完全
片や翼人
両者ともそれを知っているからこそ、もはや相手に退けとは言わない。
「行く・・・ぞ・・・ぉぉぉおおおお!!」
「死ねぇッッ!!!」
蒔風の、絞り出すような雄叫び。
セルトマンの、突き刺すような宣告。
足を引き摺る蒔風に、セルトマンの魔力弾が発射される。
回転しながら迫るその砲弾じみた大きさの魔力弾が、蒔風のもとへと。
それが近づくにつれ、スローモーションに見えてくる。
死の直前の猶予か。
だが、たとえその時間が与えられても、蒔風の足は先ほどと行動を変えようとしない。
その背に、アリスが手を伸ばす。
届くはずのないその手は、必死になって届け届けと伸ばされる。
そして――――――
ゴドォンッッ!!
轟音、着弾。
爆発とともに、白い煙と強風が巻き起こる。
その風が、煙を運んでマジュウたちの足元をくすぐる。
そしてその爆風の勢いに押されて―――――蒔風の身体が揺れて倒れる。
「なに?」
煙の隙間から見える蒔風に、セルトマンが疑問の声を上げる。
外
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