第六章 Perfect Breaker
Riders/疾風
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いいんだ〜。おかげで楽しかったし」
「そう、ですか」
「ああ。みんながいて、蓋も外れたから、忘れてた。俺は一人で頑張ってたんだ。一人でも頑張れたんだ」
それが裏目に出たこともあった。
必要以上に大怪我を負い、必要以上に命を張った。
「諦めればどんなに楽だったか。嫌になったことなんてたくさんあった。ゲートくぐった後の空白時間なんて、愚痴と弱音の連続さ〜」
逃げ出そうと思えばいくらでもできた。
たとえ無責任だと言われようとも、そうすることはできたのだ。
そもそも、「奴」が現れたのは蒔風のせいではない。ただ、彼が適任だっただけだ。
それを拒否したところで、蒔風に非があるなどと、いうことができる人間はいない。
「諦めろ?もういいだろうって?」
拳に力が籠められる。
「できるかよ、そんなこと―――――!!」
マジュウの顔面に向け、一撃が入る。
だが、頬に命中したその一撃を、そいつは耐えきって拳を押し戻してきた。
「グボッ・・・!!!」
「舜!!」
振るわれたマジュウの腕が蒔風の腹にめり込み、嗚咽とともに胃液と血が混ざった液体が口からこぼれ出る。
ビチャリ、と不快な音がしてだがそれが地面に落ちる。
気色悪いそれを隠すように踏みつけ、蒔風が一歩踏み込んでマジュウの頭を掴んで捻り砕く。
ドサリと倒れて消えるマジュウだが、蒔風はそこで一息をついてしまった。
その一瞬の空白を埋めるように、二体目のマジュウの一撃が、蒔風の後頭部を直撃する。
大きく横から回り込むように振られた腕。
ビリビリと振動する頭と首元に耐えながら、その腕を掴んで一本背負いで投げて倒す。
地面に落ちた程度ではマジュウが砕けることはなく、真上の蒔風へと向けられた腕に仄かな光が蓄積されて
「危ない!!」
蒔風をマジュウから引き離し、それを受けようとするアリス。
だが至近距離からの光撃はアリスの張ったバリアを砕き、続いて放たれた光撃で上半身から火花を散らしてアリスが地面を転がる。
「チクショ・・・!!」
ゲホッ!と倒れるアリス。
倒れたマジュウの頭を踏みつぶし、膝を着いてアリスを抱えようとする蒔風だが、屈みこんだ上半身がすぐに上がった。
蒔風に向かっていたマジュウにアリスが向かった。
それがまるで「ルール違反だ」と言わんがごとく、周囲を囲むマジュウたちの腕に、仄かな光が灯されていたのだ。
即座に察する蒔風。
復活した十三体目も加わり、一斉に放たれる光線。
ビー!という安直な効果音を鳴らしながら放たれたそれは、蒔風の上半身をとらえて手持ち花火のような小爆発を起こした。
ボバシュッッ!!という白い煙と炎が噴き出し、蒔風がア
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