第六章 Perfect Breaker
Riders/疾風
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ーカイヴ通りに事を進めているだけだ。
四人の完全をやられたことは、確かに思うところはある。
だがここまで追い詰めれば、もうその気持ちも晴れているのだ。
それよりも、目的達成を目前にした喜びのほうが勝っている。
「だからさ、別の世界でやり直せよ。翼人なら、どこの世界ももろ手を挙げて歓迎してくれるさ」
「断る」
アリスと背を合わせながら、蒔風が息を荒くしながらも断言した。
肩は上下し、血は流れ、筋肉は呻き、骨が軋む。
もう立ってすら居たくないほどの疲労と痛覚に襲われながら、しかし蒔風はまっすぐにセルトマンへとそう断言した。
即答だった。
考えずに答えたというものではない。
考える必要もない、というわけでもない。
しかし、蒔風は即座に言葉を口にしていた。
「ンなもんはとっくに考えてんだよ。とうの昔に答えは出てる」
中指を立て睨みつける。
その後ろでは、アリスがチラリとこちらを見てあっかんべーと意思を表している。
「そうかい」
パチっと、セルトマンがその答えに答えるかのように指を鳴らす。
それを合図にして、マジュウの一体がフワリと近寄ってきた。
まっすぐにだが、まるで幽霊の浮遊のように迫るマジュウ。
正面にいたアリスが手刀を左手で受け止め、握りつぶしながら右拳で胴体を完全に破壊する。
と、そのタイミングを見計らってか二体目が間をおかずにアリスへと攻撃していた。
掴まれた右腕がひねられ、地面を転がるアリス。
だが倒れながらも足を振り上げ、地面に背中が落ちるより先にアリスの蹴りがマジュウの顔面に叩き込まれていた。
ボロボロと崩れるマジュウ。
同時、今度は蒔風のほうに一体が迫る。
だが即座に振られた手刀が顎から頭蓋を砕いて、マジュウの一体を消し去った。
嬲っていくかのように、二体連続で片方に差し向けるともう片方に二体連続。
それを続けていくセルトマン。
まるで、彼らが音を上げる上げるのを待つかのように。
「くっ、そろそろきついですね・・・・ッ!!」
「はは、はっはは・・・あぁ・・・全くそうだな」
「ど、どうしたんですか?」
「いやなに・・・つらい顔しててもしょうがないから・・・っと!!」
「せめて笑おうと?」
「ああ、それに・・・グ・・・・ぉら!!最初はこんなんだったなぁ・・・って」
「・・・・・」
蒔風の言葉に、アリスが口を閉ざす。
そこに口をはさむのは、なんだがためらわれてしまったのだ。
「最初はさ、俺とあんただけだったもんなぁ。ま、あんたは送り出してくれただけで手出ししなかったけど」
「むぐ・・・・」
「いや、それは
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