第六章 Perfect Breaker
Riders/疾風
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開翼しての収束もできたのだろうが、その皆もいなければ蒔風の回復手段はゼロだ。
つまり、彼らには敗北しか残っていないのだ。
どうなるであれ、この状況が動かない、限りは。
「あーあ、必死だねぇ」
それを眺めて、セルトマンは笑う。
アーカイヴに記された空白は気になるが、そこで終わりとも書かれていない。
自分は蒔風と相打ちになるであろう場面まで行き、そこでその蒔風のとる何らかの手段から逃れればいいだけなのだ。
仮にその結果どのような傷を負おうとも、蒔風の手による攻撃では自分は滅ぼせないし、いくらボロボロになろうとも誰も自分の命は摘み取れない。
蒔風が消えたのち、ゆっくりと、もう一度、実行してやればいいだけだ。
セルトマンは笑う。
嘲りではなく、冷笑でもなく、見え透いている結果が故に頬の緩みが生まれる。
アーカイヴは絶対だ。
この世界にいる限り、この情報ほど確実なものはない。書いてないことも多々あるものの、ここにそうだと記されている以上、絶対にそれ以上のことは起こらない。
「いわゆる第一章での蒔風のように、乱入者がいるのであれば話は別だが―――――」
それもないだろう。
なぜならば、それがあるのならばこのアーカイヴにはそれすら記される。
つまり、セルトマンの勝利は最初から決まっていたのだ。
完全が何体打ち破られようとも
サーヴァントが何体消滅しようと
セルトマン自身がどれだけ追い詰められようとも
最後には彼が勝つことは約束されていたのだ。
そう、この戦いはそういう戦いだった。
最初からそうだった。
「勝ち目があるとか、勝因だとかそういうのを言ってるのが滑稽でならないね。この戦いはそんなことを言ってるうちじゃ勝てない」
十三体を相手に戦い、しかし徐々に、本当に徐々にだが、確実に追い詰められていく蒔風とアリスを見て静かに目を閉じる。
「ある意味、俺が勝てたのはおれの実力とは言い切れない。俺はアーカイヴを手にして、お前らはできなかった。ただそれだけだ。それだけが、俺とおまえの勝因と敗因だよ」
だから、哀れだと思う。
あちらがもしアーカイヴを手に入れていたとすれば、自分はきっと打ち倒されていただろう。
そこにはきっと、自分の源も記されているだろうから。
「もうあきらめちゃえよ。お前らならこの世界じゃなくても生きていけるだろ?」
十三体がそろってマジュウへと変わり、二人を囲んで両腕を向ける。
その隙間から、セルトマンが静かに語る。
「俺はこの世界で「あいつ」を召喚して自分の完全性を試せればそれで満足なんだ。お前らを追っていこうとは思えない」
今こうして攻撃しているのも、ア
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