第六章 Perfect Breaker
Riders/疾風
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好都合だった。
『今ならまだセルトマンは胡坐をかいてやがる・・・・今のうちにこいつらを倒して、あいつをどうにかしないと』
『封印で済まされているにしても、あまりに長いと消滅してしまいます。しかも、彼にそれ任意で出来ないという保証も・・・・』
動きながら、体力を消耗しながら、二人が念話を用いて論じていた。
だが、この十三体との戦いのうちにアリスも蒔風も消耗している。
蒔風に至っては、まともな回復もできていない状況だ。
『主・・・・我らを・・・・!!』
『そうすればさ、あいつらなんて瞬殺じゃん!!』
『できると思ってんのか』
脳内で、青龍と白虎が提案してくる。
だが、それを否定したのは蒔風ではなく天馬だった。
『俺たちは舜の召喚時コンディションの影響を受ける』
『たとえ五体満足でも、体力や攻撃、防御の最高値は著しく劣るでしょう』
『そうなれば敗北は必至。青龍、それがわからぬ主ではあるまい』
『ですが・・・・このままでは・・・・』
「お前らの力はいずれ必要になる」
本来鞘がある脇腹あたりをさすり、蒔風が呟く。
そう、いま出してはならないのだ。どれだけの苦境にあろうとも。
それでは、本当に手がなくなってしまう。
今必要なのは、彼らではない。
「この世界の結合速度は増している」
この世界になって、世界密度が増し
さらに赤銅大戦の名残でいくつかの世界が急速に結合されてきた。
この戦いの中で、フォーゼが結合されたのがいい例だ。
ならば、こうしているうちに新たな世界が結合される可能性もある。
『それが勝機・・・・ですか・・・・』
青龍の問いに、しかし蒔風は答えられなかった。
イエスとは言えない。
到底言えるはずもない。
なぜなら、新しく結合した世界ということは、蒔風の知らない世界だという可能性が大きいからだ。
世界結合の際の違和感はともかく、初対面の人間である蒔風の味方をしてくれる、というのは都合がよすぎる。
そもそも、セルトマンが「あいつが悪者だ」とこちらを指させばそれすらわからない。
確かに、勝機ではあるのだろう。
この状況が動かなければ、蒔風たちはこのまま敗北の道を進むことになるのだから。
しかし、本当に勝機なのか。
そう問われて、頷けるほどのものではない。
『ですがそうはいっても・・・・!!!』
『そうだ。この状況のままでは、俺たちは負ける』
十三体との戦いは、勝機があってのものではない。
すでにいくつもの方法を試したが、絶対的に体力が足りない。
あれだけ戦い抜き、回復したとはいえもう限界だ。
皆がいれば
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