暁 〜小説投稿サイト〜
世界をめぐる、銀白の翼
第六章 Perfect Breaker
Riders/疾風
[2/10]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
好都合だった。


『今ならまだセルトマンは胡坐をかいてやがる・・・・今のうちにこいつらを倒して、あいつをどうにかしないと』

『封印で済まされているにしても、あまりに長いと消滅してしまいます。しかも、彼にそれ任意で出来ないという保証も・・・・』


動きながら、体力を消耗しながら、二人が念話を用いて論じていた。


だが、この十三体との戦いのうちにアリスも蒔風も消耗している。
蒔風に至っては、まともな回復もできていない状況だ。


『主・・・・我らを・・・・!!』

『そうすればさ、あいつらなんて瞬殺じゃん!!』

『できると思ってんのか』


脳内で、青龍と白虎が提案してくる。
だが、それを否定したのは蒔風ではなく天馬だった。


『俺たちは舜の召喚時コンディションの影響を受ける』

『たとえ五体満足でも、体力や攻撃、防御の最高値は著しく劣るでしょう』

『そうなれば敗北は必至。青龍、それがわからぬ主ではあるまい』

『ですが・・・・このままでは・・・・』


「お前らの力はいずれ必要になる」

本来鞘がある脇腹あたりをさすり、蒔風が呟く。
そう、いま出してはならないのだ。どれだけの苦境にあろうとも。

それでは、本当に手がなくなってしまう。
今必要なのは、彼らではない。



「この世界の結合速度は増している」

この世界になって、世界密度が増し
さらに赤銅大戦の名残でいくつかの世界が急速に結合されてきた。

この戦いの中で、フォーゼが結合されたのがいい例だ。


ならば、こうしているうちに新たな世界が結合される可能性もある。


『それが勝機・・・・ですか・・・・』

青龍の問いに、しかし蒔風は答えられなかった。



イエスとは言えない。
到底言えるはずもない。

なぜなら、新しく結合した世界ということは、蒔風の知らない世界だという可能性が大きいからだ。
世界結合の際の違和感はともかく、初対面の人間である蒔風の味方をしてくれる、というのは都合がよすぎる。


そもそも、セルトマンが「あいつが悪者だ」とこちらを指させばそれすらわからない。


確かに、勝機ではあるのだろう。
この状況が動かなければ、蒔風たちはこのまま敗北の道を進むことになるのだから。

しかし、本当に勝機なのか。
そう問われて、頷けるほどのものではない。


『ですがそうはいっても・・・・!!!』

『そうだ。この状況のままでは、俺たちは負ける』

十三体との戦いは、勝機があってのものではない。
すでにいくつもの方法を試したが、絶対的に体力が足りない。

あれだけ戦い抜き、回復したとはいえもう限界だ。
皆がいれば
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ