第六章 Perfect Breaker
Thirteen/死数
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的に魔化魍が木端となって崩れていく。
「これで、なんとか・・・・」
「あなたは無茶しないでくださいね?」
「だがこいつら、硬いな」
「ええ。さすがは、と言っておきましょうか。手を抜いて倒せる相手ではないです」
簡単に撃破していたように見える化け物どもだが、アリスも相当な力を込めて攻撃しているらしい。
蒔風が倒せたのも、ひとえに獄炎が燃え移って結果として焼け死んだだけであり、獄炎自体の威力によるものではない。
「ふぅ・・・だが魔化魍なら燃やせば勝てるな・・・・」
「種族にもよりますけど・・・・って」
「あれは・・・・」
戦力を確認し、じゃあもう一回、といったところで言葉が詰まる。
見ると、倒された魔化魍やマジュウたちの穴を埋めるかのように、新たな怪物が生み出されていっていた。
「また十三か・・・・」
「その通り。これは一定の数に怪物を生み出し続ける術式だ」
怪物の後方で腕を組んで眺めているセルトマンが、答え合わせのように蒔風に答える。
「これは彼ら自身が術式になっていてね。一体でも残っていれば、即座に十三体揃えて見せよう」
「ってことはだ」
「全部一気に倒せば、終わりってことですね!」
ダッ!!と駆けだすアリス。
そのスピードを一気に押し上げ、十三体の頭を即座に砕いていく。
そして、終わったと地面を踏みしめて止まるが
「速さが足りないなぁ」
最初に倒した分が、すでに穴埋めされていた。
その一帯から再び残りの十二体が再生する。
「そんな」
「やり続けるか?無駄だ。残念だがアリスさんよ。あんたの速さじゃ、十三体は間に合わない」
(なにが残念だ。テメェ間に合いそうになったら全員ばらけさせたくせによ)
軽く舌打ちをしながら、蒔風が悪態をつく。
いくらアリスでも、散らばった十三体を一気に消すことは不可能だ。
仮に広範囲攻撃で一気に潰そうにも、その兆候があった瞬間に敵はばらけるか、一体を庇うに違いがいない。
そして今の蒔風には、散らばったこいつらをまとめて吹き飛ばす攻撃も、加速開翼もできそうにない。
つまり、これは事実上の
「詰みなんだよ。お前らは」
「畜生・・・・」
「あ、あきらめてはいけません!!こうやって行けばきっと・・・・」
「きっと?無理だな。いくらお前でも、いつまでもそんなハイペースで攻撃できるはずがない。そうしているうちに再生していけば、余計に泥沼。そんなことは蒔風だってわかっているはずだ」
「・・・・ちっ」
すでに蒔風は足で立っていない。
両膝をついて立ち、近づいてきた者から反撃して倒していくという消極法に出
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