第六章 Perfect Breaker
Thirteen/死数
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ないさ。だが、蒔風の場合はそれでこの結果じゃないか!!」
「ぐぅ・・・ぅぅぅうううああああああああああああ!!!」
叫ぶ。
その足取りは重く、辛い。
だが進まねばならない。
この男にはまだまだ味合わせねばならない。
たとえその結果がどうなろうとも、残ったのは自分一人だ。
自分がやらねば、この男に皆の無念を叩き付ける者がいなくなってしまうのだ――――
「ぅぅぅうううううううううッッ!!!」
涙は流れない。
代わりに、食いしばった歯の隙間から唸り声が漏れ出てくる。
「・・・・ふむ。ま、じゃあ適当にやっておこうかな」
そう言って、今度はセルトマンから蒔風へと進む。
重々しい弾撃は止めずに、セルトマンの足が進んでいく。
一歩一歩を踏みしめるように進んでいた蒔風は、踏ん張って意地でも前に進もうとする。
だが額に当たり、腹に当たり、足に当たり、身体が突き飛ばされるように一歩一歩下げられて行き、ついには膝を着いて地面に倒れてしまう。
「う〜ん・・・ここで終わりってわけじゃないんだけどなぁ・・・・」
そんなことを呟きながら、倒れた蒔風を見下ろしてセルトマンが手の平を向ける。
「ま、ここで終わるなら安泰だ。運命を超えたのはおれだってことで」
回転していく魔力。
その高音が耳につき、慣れたころに、準備が整う。
「んじゃ、これで」
ドゥッッ!!!
爆ぜる地面。
放たれた魔力弾は地面を吹き飛ばし、そこに軽いくぼみを生んで破裂する。
だが、そこに蒔風の死体はなく。
「あ、間に合った?」
外したにもかかわらず、そうであることが当然のごとくセルトマンが彼女に声をかけた。
「舜!!大丈夫ですか、返事をしなさい!!!」
「あ・・・・リス・・・?」
少し離れたところで、アリスが蒔風を肩に担いでその頬をペシペシと叩いていた。
痛い痛いとその手を払い、下ろしてもらうと蒔風の身体が揺れる。
「お前・・・いたのか」
「いなくなるわけないでしょう!!かかわっているとはいえ、私は管理者ですよ!!」
フンスと鼻息荒く、腰に手を当ててエッヘンと言いのけるアリス。
いつもならツッコミ交じりに頭の一つでもはたくところだが、彼女の存在が今は何よりもうれしい。
「よかった・・・お前は無事・・・だったんだな」
「そりゃそうでしょう。ほかの皆さんも、ね」
「は?」
アリスの言葉に、蒔風の目が真ん丸に開かれる。
自分を支える腕を振りほどいてセルトマンに向かおうとしていた殻から、力が抜けていく。
その蒔風にため息をつき、まったくあなたという人は、とあきれ顔
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