第六章 Perfect Breaker
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「おい、なのは!!」
『助けて舜く』
パチン
「――――――――――」
言葉が出ない。
何もできなかった。
手を伸ばすことすらも。
安心させることすらも。
その間にも、セルトマンの指が鳴らされ続ける。
蒔風にも、そろそろ理解が追い付いてきた。
あの動作一つで、皆がまとめて消える。
一回につき、一世界ずつ消える。
だがもう何度ならされたのか。
その回数もわからず、蒔風の膝が地面に落ちる。
みんなの声が、耳から離れない。
「ちくしょう・・・・畜生テメェええぇぇえ!!」
「許さない!!」
翼刀が怒りを表し、唯子が目に涙を溜めてセルトマンへと襲い掛かる。
ショウに混ざって攻撃を繰り広げるが、セルトマンの魔力障壁は敗れず、たとえ攻撃が当たっても彼は何ともなかったかのように立ち上がった。
その間にも指は鳴らされる。
蒔風の耳に、遠くの音が聞こえてくる。
悲鳴はない。
叫び声もない。
むしろそれらが増えてくれればと、蒔風は初めてそれらを求めた。
叫びがあれば、彼らがいる証拠だった。まだそこにいると思えた。
でも、向こう側から聞こえてくる声がだんだんと減る。
叫びも悲鳴もなく、行くどんどん静かになっていく。
残酷な静寂が、蒔風の頭を塗りつぶしていく。
「あ・・・はは・・・そんな、そんな・・・・」
立ち上がろうとする。
にもかかわらず、それができない。
身体に力が入らないのではない。
心が、起き上がってくれないのだ。
その蒔風を見、セルトマンが周囲に群がる三人を弾き飛ばした。
そして
「もういい。去ね」
魔力が満ち、セルトマンの腕をずっぽりと覆い回転する。
ドンッッ!!と放たれる魔力弾。
標的は蒔風。
だが、今の彼がそれを受けきることなどは到底―――――
「手間を!!」
「させねぇ!!」
「間に合えっ!!」
故に、三人が駆けた。
蒔風の前に、三人が
だが弾く、打ち消すなどは間に合わない。
ならば、できることはただ一つ。
((こいつを、飲み込んで―――!!))
ショウが手の平をかざす。
そこにドロリとした黒い闇があらわれ、あらゆるものを飲み込もうとし
翼刀が剣を腰に構える。
刀身に渡航力を送り、破断の力で空間に穴をあけて
その後ろで、唯子がレヴィンを展開する。
薄い膜を張って、自分たちと蒔風の間に壁を張る。
そして
ドォンッッ!!!
「・・・・ありゃ」
消えた。
三人がいた場所には、大きなクレーターが。
吹き飛んだ土もな
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