暁 〜小説投稿サイト〜
世界をめぐる、銀白の翼
第六章 Perfect Breaker
Exclude/消失
[4/8]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
!!!」

セルトマンの手は、唯子の首へと向けられている。
左右から掴み掛り、捻り折ろうとする動きだ。

翼刀の表情に唯子も背後のセルトマンを察したが、間に合わない。
そして、セルトマンは


ゴッ―――ォンッッ!!!

「下手な手で触れんじゃねぇよ。セクハラだぞ」

「その程度じゃなかったけどな」

吹っ飛んできた大気の塊に、同じような速度で吹っ飛んで行った。

ハッとして翼刀がその反対方向を向くと、十五天帝と魔導八天を振り上げている二人の姿が。



「ったく、翼刀に言われちまうとは俺らも焼きが回ったか」

「まったくだ。相手の未知数にビビってたらキリがないもんなぁ?」

トントン、と自分の剣で肩を叩いて歩んでくる二人。
唯子と翼刀の間を抜けて、起き上がるセルトマンに切っ先を向ける。


「お前と同等の存在じゃなきゃ殺せないって?」

「問題ねぇよ。つまるところ、どれだけやってもお前は死なないってことなら」


「「逆にどんな手段を使っても、お前を捕まえることはできる、ってことだからな」」


どんな傷を負おうとも、どんな無茶をさせようとも
セルトマンが死なないというのであれば、捕縛のしようはいくらでもある。



「くく・・・」

だが

「その程度で、俺を攻略かぁ・・・・・」

セルトマンは笑い

「あれだけの戦いをやってきたお前らも、しょせんその程度の人間、か」

つまらなそうに吐き捨てた。


「なに」

「これ以上はもういい。無駄だ」

セルトマンの口調が変わる。

もうこれ以上、期待はないと。
もうこれ以上、楽しめそうにないと。

もうこれ以上、引き延ばす必要もないと。


「結局、お前たちは俺の秘密に辿り着けなかった。ま、だから原典の結末はああだったわけだが」

「蒔風もお前もどっちも消えて、帰ってくることはなかった、ってやつか」

セルトマンが目にした、この世界のアーカイヴ。
そこに記された、この世界の、この物語の結末。


≪アーヴ・セルトマンと蒔風舜は、この世界から姿を消した≫
≪そして、彼らが帰って来ることは、もう二度とありはしなかった≫


セルトマン自身が語ったことだ。
そして、ショウからの話でそれは蒔風も知っている。

初めて聞いた翼刀と唯子は驚いた顔をしているが。



「つまり、お前はその瞬間に脱するだけで勝てる。そういうことか?」

「そういうことだ」

「・・・つまんねぇの。とどのつまり、お前はそのアーカイヴの言いなりってことじゃねえか」

「そういうな。ここに書かれていることは、結局のところ俺がとる行動だ。まあ少し気に食わないところはあ
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ