第六章 Perfect Breaker
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ンが突っ込んできて、ヴァルクヴェインの面に触れた瞬間。
「不動っ!!」
「はぶっ!?」
剣を通じて放たれた不動拳に顔面を打たれ、変な声を上げて後ろへと飛ぶ。
そして着地した翼刀がしゃがみ、ヴァルクヴェインの切っ先を後ろにして肩に乗せた。
それに応じて、唯子は即座に跳ねヴァルクヴェインの上に。
それを確認して、翼刀が肩を支点にヴァルクヴェインを振りおろし―――――
「行けッ!!」
「行くッ!!!」
綺堂唯子が、射出される。
セルトマンが顔面を打たれ、視線を前に直した時にはもう遅い。
「ダァッ!!」
「ぎっ!!!」
唯子の振りかぶった、思い切りの一撃。
その一撃がセルトマンの胸のど真ん中に命中した。
ゲハッと、肺の空気と少量の唾液を吐き出し、セルトマンの身体がよろめく。
さらにそこに追い打ちをかけるように、翼刀が追い付いてアッパーを食らわせた。
足が地面から浮く。
それを実感するだけで、セルトマンはさらに顔面の一撃で地面に帰ってきた。
ビダンッ!!と頭から落ちて、身体が追い付き、地面を跳ねるセルトマンの身体。
そうして浮き上った身体を唯子が掴んで持ち上げ、頭上に掲げてレヴィンを纏う。
「レヴィン、モード・破城鎚!!!」
「が―――ヴっ!!!」
ドンッッッ!!と地面と大気が爆ぜる。
セルトマンを持ち上げた右手はまっすぐ真上に。
その前腕部から地面に向かって、四つの足がつっかえ棒のように伸びている。
そしてパイルバンカーと同じ原理で、ズガンッッ!!と大地を支えにして、セルトマンの身体が上空へと打ち上げられた。
が、その空中浮遊も即座に終わった。
打ち上げられて一秒としないうちに、翼刀の振りかぶったヴァルクヴェインの一撃で叩き切られ、地面へと落下していったからだ。
炎を纏った翼刀の一撃に、セルトマンの腹が裂かれて地面に落ちる。
唯子の巻き上げたものとセルトマン落下の時との、両方の土煙で落下したセルトマンの姿が見えなくなってしまう。
「どう?」
「手応えはあったぜ」
ふぅ、と息を漏らす翼刀。
そして、油断なく土煙を睨みつける。
容易すぎる
これがあれだけ苦戦した、五人の完全の親玉だって?
最初に蒔風をボロボロにして、幾度かのショウとの戦いで勝ってきた男?
そんなはずはない。
こんなに簡単に倒せるはずがない。
この程度でやれるのであれば、この戦いはとっくのとうに終わっている。
「唯子、一旦――――」
退がろうか
そう続けようとした翼刀の言葉は、唯子の背後に表れていたセルトマンの姿で失われた。
「―――――
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