第六章 Perfect Breaker
Unknown/未知数
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ないというのに、目の前の不可解さにエリオの体は動かない。
「だが俺の系統の魔術では、古いほうが強いんだよ。子は親に勝てないってな。古い神秘のほうが、時を重ねた分強くなる」
(この男は―――まさか、あの五人すべての完全を手に入れているのか!)
「だから俺は・・・っておい、聞いてるか?」
エリオの思考。
それを察し、セルトマンが呼びかけ「ははぁ」と納得したような声を漏らす。
「ああ、俺の能力のこと考えてんのね?残念ながら、俺の能力はあの五人の複合では、ない」
「!!!」
「あれらは過程で生まれた余剰パーツみたいなもんでな。かわいそうな奴らがいたから、気まぐれでプレゼントしたんだ。まさか、あんなに手伝ってくれるとは思わなかったけど―――助かったし、楽しかったな」
セルトマンは言う。
自分の能力は、それらに縛られるものではない、と。
ではなにか。
この男の能力は何か。
そもそも、大聖杯の魔力を直接運用して、肉体も精神も無事な身体とはいったい―――――
「しいて言えば、俺は人間の完全、とでもいうのかね?」
「人間の・・・だと?」
「ま、これ以上はネタばれ厳禁ってことで」
ガシィ!!と
そこまで言って、セルトマンが手のひらを軽く出すとそこに刃が振るわれてきた。
組み上げた大剣・獅子天麟を叩き付けた蒔風が、セルトマンの動きを止めながらエリオに叫んだ。
「エリオ!!三人を連れて戻れ!!」
「舜さん!?」
「まどかとほむらがやばい。ガンドの呪いの進行が速すぎる!!急げ!!」
ハッとして振り返ると、地面に倒れている二人の息が荒い。
駆け寄って見ると、それがさらにわかる。
息は荒く、顔が赤い。額に触れようとすると、それだけでものすごい熱を感じた。
「ガンドの呪いは病魔に関するものだ。このままでは衰弱死する可能性もある!!」
「――――くっ、すぐに戻りますから!!」
まどかとほむらを背負い、さらになのはを抱えてその場を駆け去るエリオ。
うち二人が中学生だとしても、素晴らしい脚力である。
「さて。これで一騎打ちといったところかな」
「てめぇ、最初からそのつもりか」
「いやいや。俺が決めたわけじゃない。恨むならアーカイヴでも恨んでおけ」
「黙っとけ!!」
蹴り飛ばされるセルトマン。
地面を転がるが、しかしさしたるダメージはない。
にらみ合う両者。だが、その二人には差がありすぎる。
先に動いたのは
「楽しかった。本当に楽しかった」
ユラリと
「そしてお前たちのおかげで、俺の目的も達成できそうだ」
一歩
「あとやることは、
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